ニュース速報
ワールド

米ハーバード大、トランプ政権を提訴 補助金凍結巡り

2025年04月22日(火)10時17分

米ハーバード大学は4月21日、トランプ政権による補助金凍結の差し止めを求め、マサチューセッツ州ボストンの連邦地方裁判所に提訴した。写真は抗議者ら。12日、同州ケンブリッジで撮影(2025年 ロイター/Nicholas Pfosi)

Jack Queen

[21日 ロイター] - 米ハーバード大学は21日、トランプ政権による補助金凍結の差し止めを求め、マサチューセッツ州ボストンの連邦地方裁判所に提訴した。

政権は今月、ハーバード大に対し、多様性・公平性・包括性(DEI)重視方針の撤回や一部の学部への審査開始などを要求したが、大学が拒否したことを受け、連邦政府からの23億ドルの資金提供を凍結すると発表した。

訴訟は、トランプ大統領が反ユダヤ主義やイデオロギー的偏向を排除するために主要大学での最先端研究への資金提供に対して広範な攻撃を開始したと指摘。

「政府はハーバード大学の学術的意思決定をコントロールする手段として、資金凍結を利用しようとしている」と訴えた。

ハーバード大は、トランプ政権の行動が恣意的かつ違法で、言論の自由を定めた憲法修正第1条に基づく大学の権利を侵害していると主張している。

ホワイトハウスのフィールズ報道官は、ハーバード大などの機関が連邦政府の援助を容易に受けられる状況は終わりに近づいていると指摘。

「納税者の資金は特権であり、ハーバード大はその特権にアクセスするのに必要な基本条件を満たしていない」と語った。

トランプ大統領は1月の就任以来、昨年の親パレスチナ派によるデモへの対応を巡りキャンパスに反ユダヤ主義を広めたとして、米国の名門大学に対する圧力を強めている。

しかし、一部のユダヤ人団体を含むデモ参加者は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの軍事行動への抗議が反ユダヤ主義と誤って混同されていると主張している。

トランプ政権の対応を巡り訴訟を起こした大学はハーバード大が初めて。

政府はキャンパスでの抗議活動を巡り、コロンビア大学、プリンストン大学、コーネル大学、ノースウェスタン大学、ブラウン大学などへの補助金も停止している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、10日に有志連合首脳会議を主催 仏

ワールド

中国商務相、ロシア経済発展相と会談 経済・貿易を巡

ワールド

ブラジル大統領、トランプ関税を非難 プーチン氏との

ワールド

米中、一時的関税停止の可能性 週末の高官協議=スイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中