ニュース速報
ワールド

停戦発効後のガザにイスラエルが空爆、少なくとも15人死亡

2025年03月17日(月)09時38分

 3月16日、パレスチナ自治区ガザの保健当局は、イスラエル軍による過去24時間の空爆で少なくとも15人が死亡したと発表した。写真はイスラエルの攻撃による死者を悼む人々。ガザ北部で15日撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)

[カイロ 16日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザの保健当局は16日、イスラエル軍による過去24時間の空爆で少なくとも15人が死亡したと発表した。複数のパレスチナ当局は、1月19日のガザでの停戦発効後もイスラエル軍の攻撃によって計数十人が犠牲になったと非難している。

これに対してイスラエル軍は、同軍に近づいたり、爆弾を仕掛けたりする「テロリスト」による脅威を阻止するための行為だったと反論している。

ガザの保健当局によると、15日にはイスラエル軍のガザ北部ベイトラヒヤでの空爆でジャーナリスト4人を含む9人が死亡した。

イスラエル軍は、この空爆でイスラム組織ハマスのメンバーと、ハマスと共闘するイスラム聖戦のメンバーだと特定した計6人が死亡したと発表。武装勢力の一部は「ジャーナリストを装って」活動していたと主張している。

ハマスが運営するガザ政府メディアオフィスの責任者、サラマ・マルーフ氏はイスラエル軍の声明に関し、その場にいなかった人物の名前が含まれていると語った。マルーフ氏は、イスラエル軍の声明は不正確なソーシャルメディア(SNS)上の情報に基づいており、「事実を確認しようともしていない」と非難した。

ガザの保健当局によると、15日にイスラエルによる別の空爆でも少なくとも4人が死亡した。

医療関係者によると、16日にガザ中部ジュールエルディークでイスラエル軍の無人機(ドローン)のミサイル攻撃によって62歳の男性が死亡、数人が負傷した。ガザ最南部ラファでもイスラエル軍の無人機がミサイルを発射し、数人が負傷した。

イスラエル軍は、これらの無人機攻撃に関してはよく分からないと主張した。

イスラエル軍の16日のガザ北部ゼイトゥーン地区での空爆でも1人の死者が出た。イスラエル軍は、地上に爆弾を仕掛けようとした「テロリスト」を攻撃したとコメントした。

カタールとエジプト、米国が仲介した3段階の停戦合意を巡っては、イスラエルが第1段階の延長を要求しており、トランプ米政権のウィトコフ中東担当特使も支持している。一方、ハマスは今月2日に始まる予定だった第2段階に進まない限り人質の解放を再開できないと反発している。

イスラエル首相府は15日、生存している人質11人と遺体の半数の解放を求める米国の提案に基づき、交渉継続の準備をするよう担当者に指示したと説明した。

ハマスは14日、イスラエルが停戦合意の第2段階の実施に向けた協議を直ちに始める場合、人質のうち米国系イスラエル人兵士のエダン・アレキサンダー氏と4人の遺体を引き渡すことで合意したと発表した。これに対し、イスラエルはハマスが人質の家族に対して「心理戦」を仕掛けていると非難した。

イスラエル首相府は16日、エジプトに派遣した代表団がエジプト政府当局者とさらなる人質解放の可能性について協議していることを明らかにした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中