米政府効率化省、大統領令で設置 マスク氏主導で「ムダ排除」へ

トランプ次期米大統領は就任初日となる20日に、米実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」新設に向けた大統領令に署名する見通し。19日撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ新米大統領は20日、「政府効率化省(DOGE)」を設置する大統領令に署名した。DOGEを率いる米実業家イーロン・マスク氏が共同責任者を務め、連邦機関の全廃や連邦政府職員の4分の3削減などの目標を掲げている。
トランプ氏は就任演説で「連邦政府の能力と効率性の回復に向け、DOGEという新しい機関を設置する」と表明した。大統領令ではDOGEの目的を「連邦の技術とソフトウェアの近代化」と記している。トランプ氏は、確実に目標を達成するため約20人雇用する予定だと記者団に語った。
DOGEは「省庁」ではなく、経費削減や組織改革など実行する公的権限はほとんどない。早速、複数の団体が法的位置づけが不透明などとして監視団体のパブリック・シチズンや米政府職員組合などが提訴に踏み切った。ナショナル・セキュリティ・カウンセラーズは、連邦諮問委員会の設立や運用などに関する枠組みを定めた1972年の法律に違反していると主張している。
関係者情報によると、マスク氏とともにDOGEの共同責任者に起用されたビベック・ラマスワミ氏はオハイオ州知事選での立候補に準備するためDOGEの運営には関与しないもようだ。
政府の「無駄」を削減するための諮問委員会は、鳴り物入りで発表されても結局めぼしい成果なく尻すぼみに終わるケースが多い。1982年、レーガン大統領(当時)は、行政部門の支出を見直すため「民間部門の優れた専門家」で構成されるグループを発表した。しかしその報告書は18カ月遅れで提出され、提言のほとんどは実施されなかった。