ニュース速報
ワールド

米政府効率化省、大統領令で設置 マスク氏主導で「ムダ排除」へ

2025年01月21日(火)16時06分

トランプ次期米大統領は就任初日となる20日に、米実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」新設に向けた大統領令に署名する見通し。19日撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ新米大統領は20日、「政府効率化省(DOGE)」を設置する大統領令に署名した。DOGEを率いる米実業家イーロン・マスク氏が共同責任者を務め、連邦機関の全廃や連邦政府職員の4分の3削減などの目標を掲げている。

トランプ氏は就任演説で「連邦政府の能力と効率性の回復に向け、DOGEという新しい機関を設置する」と表明した。大統領令ではDOGEの目的を「連邦の技術とソフトウェアの近代化」と記している。トランプ氏は、確実に目標を達成するため約20人雇用する予定だと記者団に語った。

DOGEは「省庁」ではなく、経費削減や組織改革など実行する公的権限はほとんどない。早速、複数の団体が法的位置づけが不透明などとして監視団体のパブリック・シチズンや米政府職員組合などが提訴に踏み切った。ナショナル・セキュリティ・カウンセラーズは、連邦諮問委員会の設立や運用などに関する枠組みを定めた1972年の法律に違反していると主張している。

関係者情報によると、マスク氏とともにDOGEの共同責任者に起用されたビベック・ラマスワミ氏はオハイオ州知事選での立候補に準備するためDOGEの運営には関与しないもようだ。

政府の「無駄」を削減するための諮問委員会は、鳴り物入りで発表されても結局めぼしい成果なく尻すぼみに終わるケースが多い。1982年、レーガン大統領(当時)は、行政部門の支出を見直すため「民間部門の優れた専門家」で構成されるグループを発表した。しかしその報告書は18カ月遅れで提出され、提言のほとんどは実施されなかった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、ウクライナ和平案の感謝祭前の合意に圧力 欧州は

ビジネス

FRB、近い将来の利下げなお可能 政策「やや引き締

ビジネス

ユーロ圏の成長は予想上回る、金利水準は適切=ECB

ワールド

米「ゴールデンドーム」計画、政府閉鎖などで大幅遅延
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中