ニュース速報
ワールド

米中、科学協定を5年延長 共和党議員から反対の声も

2024年12月14日(土)07時28分

中国科学技術省は、米国との科学技術協定を5年間延長することで双方が合意したと発表した。2018年、バージニア州で撮影(2024年 ロイター/Yuri Gripas)

[北京/ワシントン 13日 ロイター] - 米国務省と中国科学技術省は13日、両国の科学技術協定を5年間延長することで合意したと発表した。

共和党議員らから、この決定はトランプ新政権に委ねられるべきとの意見があったが、バイデン政権が退任を間近に控えて反対の声を押し切った格好となった。

協定は1979年の米中国交樹立の際に調印され約5年ごとに更新されてきたものの、今年8月27日に期限切れとなっていた。

中国の外務省は、今回の合意が米中関係に安定をもたらす効果があるかどうかに関するコメント要請にすぐには応じなかった。

科学協定は、大気や農業に関する研究のほか、物理や化学分野の基礎研究などでの協力により、両国関係の安定をもたらすものとして評価されていた。これが基盤となり、両国間の学術交流やビジネス拡大につながった。

中国が技術・軍事大国へと成長する役割を担った一方、米国が培った成果を中国が盗用しているのではないかとの懸念から、協定継続を疑問視する声もあった。協定更新を支持していた米国のアナリストらでさえ、米国のイノベーションを守るために協定を根本的に作り直す必要があると述べていた。

国務省は、今回はこれまでの協定よりも範囲が大幅に狭く、両国間の競争の中核となる重要技術や新興技術ではなく基礎研究のみを対象としていると指摘。「協定を延長できない場合、米国に利益をもたらす科学協力の分野にも萎縮効果が生じる可能性がある」とした。

下院中国特別委員会のジョン・ムーレナー委員長は12日、ブリンケン国務長官に対し協定更新に反対する書簡を送付していた。ロイターが入手したその書簡には「政権末期に更新することは、新政権の手を縛り、協定から離脱するか、米にとってより良い条件を交渉する機会を奪おうとする試みだ」と述べられていた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国、マスク氏へのTikTok米国事業売却を検討=

ワールド

ロス山火事、消火活動を強化 再び強風で拡大の危険高

ワールド

メキシコ、中国からの輸入抑制へ 新経済計画と貿易戦

ワールド

北朝鮮、複数の短距離ミサイル発射 東岸沖に=韓国軍
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン」がSNSで大反響...ヘンリー王子の「大惨敗ぶり」が際立つ結果に
  • 4
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 5
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 6
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    アルミ缶収集だけではない...ホームレスの仕事・生き…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 7
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 8
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中