ヒズボラ、イスラエル第3の都市に初のミサイル攻撃 10人負傷
10月7日、イスラエル警察は、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラのロケット弾がイスラエル第3の都市ハイファを直撃したと発表した。ハイファで6日撮影(2024年 ロイター/Shir Torem)
Steven Scheer Maya Gebeily
[エルサレム/ベイルート 7日 ロイター] - レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは7日未明、イスラエル第3の都市である北部ハイファをロケット弾で攻撃した。ヒズボラが同市を直接攻撃するのは初めて。
ヒズボラはハイファの南にある軍事基地に対しミサイル「ファディ1」を複数発射したほか、65キロ離れたティベリアも攻撃したと発表した。
イスラエル警察は、ハイファがロケット弾による攻撃を受けたと確認した。地元メディアはハイファで10人が負傷したと報じた。
イスラエル軍は、レバノンからハイファに向けてロケット弾5発が発射されたとした上で、「迎撃し、落下した飛翔体をその地域で確認した。現在検証中」とした。
ティベリアにはロケット弾15発が飛来し、一部を迎撃したとしている。イスラエルメディアは、さらに5発のロケット弾がティベリアに着弾したと伝えた。
警察によると、複数の建物が破損。軽傷者も複数報告されており、近くの病院に搬送された人もいるという。
7日未明、中部リションレジオンとパルマチンの中心部ではサイレンが鳴り響いた。イスラエル軍は、東方から飛来した2機の無人機(ドローン)を迎撃したと明らかにした。
一方、パレスチナ自治区のイスラム組織ハマスはテルアビブをミサイル攻撃したと発表した。
イスラエルはレバノン南部のヒズボラ拠点への攻撃を一段と強化している。ベイルート南郊の人口密集地は夜通し再び空爆を受けた。
レバノンの首都ベイルートにあるヒズボラ情報本部の情報収集施設や指揮センターなどのインフラ施設も攻撃。ベイルート周辺にあるヒズボラの武器貯蔵施設にも過去数時間に空爆を行ったとし、空爆後に武器の存在を示す2次爆発が確認されたと指摘した。
ヒズボラが意図的にベイルート中心部の住宅地下に指揮センターや兵器を設置し、民間人を危険にさらしていると非難した。ヒズボラはそうした場所での武器の保管を否定している。
レバノン保健省は、イスラエル軍が国境付近の町ビント・ジュベイルの市庁舎を空爆し、消防士10人が死亡したと発表。6日の南部・東部への空爆では22人が死亡したという。
イスラエル軍にも犠牲が出ている。この日は国境付近での戦闘でイスラエル兵2人が死亡し、レバノン国内で死亡した兵士はこれまでに11人になったと発表した。
イスラエルでは7日、ハマスによる攻撃から1周年を迎え、各地で式典が行われたほか、抗議行動も見られた。
ネタニヤフ首相は、1周年にあたってエルサレムで開かれた臨時閣議で「イランの悪の枢軸に対する反撃は、われわれの将来と安全を確保するために必要だ。昨年10月7日に起きたことが二度と起こらないよう、地域の安全保障の現実を変えようとしている」と表明した。
ハマスの戦闘員は1年前、ガザ地区との境界付近にある町や村を襲撃した。イスラエル当局によると、約1200人が死亡し、約250人が人質に取られた。1日の犠牲者の数としてはナチスドイツのホロコースト以来の規模となったことから、国民の安全意識は打ち砕かれ、指導者に対する信頼はかつてないほど低下した。
これに対しイスラエルはガザ地区を激しく攻撃し、人口密集地区はほぼ壊滅した。パレスチナ保健当局によると、これまでに約4万2000人が死亡した。