ニュース速報
ワールド

IEA、24年の石油需要予測を下方修正 中国が鈍化

2024年09月12日(木)18時29分

国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した月報で、2024年の石油需要の伸びの見通しを日量7万バレル(約7.2%)引き下げ、日量90万バレルとした。写真はリビア・ザウィヤの製油所で2020年7月撮影(2024年 ロイター/Ismail Zitouny)

Robert Harvey

[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した月報で、2024年の石油需要の伸びの見通しを日量7万バレル(約7.2%)引き下げ、日量90万バレルとした。

中国の需要鈍化が主因。24年の中国の石油需要の伸びはマクロ経済の減速と電気自動車(EV)の普及で日量18万バレルにとどまる見通し。

IEAは「中国の石油需要の伸びは失速しつつあるようだ。他の大半の国も緩やかな増加にとどまるか減少しており、現在の傾向は世界の石油需要が20年代終わりまでに頭打ちになるとのIEAの予想を裏付けている」と述べた。

月報の公表後、原油価格は伸び悩む展開となった。

24年の石油需要の伸びについては、中国を巡る見方の相違、さらには、クリーン燃料への移行ペースを巡る意見の相違により、各機関の見通しに大きな隔たりが見られる。石油輸出国機構(OPEC)は今週、予想を日量203万バレルに下方修正したものの、IEAの予想を依然大幅に上回っている。

IEAは25年の需要の伸びの予測は日量95万バレル前後で据え置いた。ただ、OPECプラスが自主減産を解除する計画を進めれば石油市場が25年に供給超過になる可能性があると指摘した。

IEAは非OPEC加盟国の生産拡大により、世界の石油供給が増えていると指摘。24年と25年の非OPEC加盟国の供給の伸びは日量150万バレルとなる見通し。米国、ガイアナ、カナダ、ブラジルの生産が増える見通しという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ネタニヤフ氏、イラン核問題巡りトランプ氏と協議へ 

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ワールド

ロ、米のカリブ海での行動に懸念表明 ベネズエラ外相

ワールド

ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中