IEA、24年の石油需要予測を下方修正 中国が鈍化
国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した月報で、2024年の石油需要の伸びの見通しを日量7万バレル(約7.2%)引き下げ、日量90万バレルとした。写真はリビア・ザウィヤの製油所で2020年7月撮影(2024年 ロイター/Ismail Zitouny)
Robert Harvey
[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した月報で、2024年の石油需要の伸びの見通しを日量7万バレル(約7.2%)引き下げ、日量90万バレルとした。
中国の需要鈍化が主因。24年の中国の石油需要の伸びはマクロ経済の減速と電気自動車(EV)の普及で日量18万バレルにとどまる見通し。
IEAは「中国の石油需要の伸びは失速しつつあるようだ。他の大半の国も緩やかな増加にとどまるか減少しており、現在の傾向は世界の石油需要が20年代終わりまでに頭打ちになるとのIEAの予想を裏付けている」と述べた。
月報の公表後、原油価格は伸び悩む展開となった。
24年の石油需要の伸びについては、中国を巡る見方の相違、さらには、クリーン燃料への移行ペースを巡る意見の相違により、各機関の見通しに大きな隔たりが見られる。石油輸出国機構(OPEC)は今週、予想を日量203万バレルに下方修正したものの、IEAの予想を依然大幅に上回っている。
IEAは25年の需要の伸びの予測は日量95万バレル前後で据え置いた。ただ、OPECプラスが自主減産を解除する計画を進めれば石油市場が25年に供給超過になる可能性があると指摘した。
IEAは非OPEC加盟国の生産拡大により、世界の石油供給が増えていると指摘。24年と25年の非OPEC加盟国の供給の伸びは日量150万バレルとなる見通し。米国、ガイアナ、カナダ、ブラジルの生産が増える見通しという。