ニュース速報
ワールド

G7イタリア会合、ロシア凍結資産や中国の過剰生産能力を議論へ

2024年05月22日(水)17時45分

 主要7カ国(G7)は24─25日にイタリアのストレーザで財務相・中央銀行総裁会議を開催する。写真は2021年、ロンドンで代表撮影(2024年 ロイター)

Gavin Jones Giuseppe Fonte

[ローマ 22日 ロイター] - 主要7カ国(G7)は24─25日にイタリアのストレーザで財務相・中央銀行総裁会議を開催する。関係者によると、凍結されたロシア資産をウクライナ支援にどう活用するかや、主要市場における中国の輸出能力の拡大にどう対処するかについて合意を目指す。

G7の交渉担当者は約3000億ドル相当のロシアの金融資産の活用方法について、数週間にわたって協議してきた。

米国は将来見込まれる収入を債券か融資の形で、前倒ししてウクライナ支援に充てる方法を模索している。しかし多くの法的・実務的問題を解決する必要があるとして、複数の関係者は今回の会合では詳細を含む合意は期待できないとの見方を示した。

その場合は、6月13─15日に南イタリアのプーリア州で開催されるG7首脳会議に提案を示すために非公式協議が続けられる見通し。

G7がウクライナのために債券を発行するという案は立ち消えになったもようで、米国は凍結資産からの収入を担保にした融資を提案している。

融資を世銀が管理するかどうか、どのように保証するか、将来の利益をどう見積もるか、ロシアとの和平交渉が成立した場合はどうなるか、といった点は明らかになっていない。

欧州は特に慎重で、欧州連合(EU)の外交筋は「(最終決定には)数カ月とは言わないまでも、数週間はかかるだろう」と述べた。

<貿易・AIも議題に>

G7では世界貿易の見通しも主要な議題となる。米国は先週、電気自動車(EV)用バッテリーや半導体、医療製品など、中国からの輸入品に対する大幅な関税引き上げを発表した。

米国はパートナー国に対し同様の措置を取るよう求めていないが、ある当局者はG7の声明で中国の「過剰生産能力」に対し共通の懸念を表明するよう働きかける可能性が高いと述べた。

イタリア大統領府が発表した公式プログラムによると、人工知能(AI)が世界経済に与える影響や、対ロシア制裁の評価・分析なども話し合われる。

課税問題も議題に上がっており、米国などの反対により完全には実施されていない国際課税の新ルール「グローバルミニマム課税」をイタリアは取り上げたい考え。

20カ国・地域(G20)の中でブラジルやフランスが推進している富裕層への課税強化も議論される見込みだが、関係者によると米国が抵抗している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中