インド中銀、政策金利を5会合連続で据え置き インフレ抑制で

12月8日、インド準備銀行(中央銀行)は、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置くことを全会一致で決定した。写真はムンバイの同行前で4月撮影(2023年 ロイター/Francis Mascarenhas)
Swati Bhat Sudipto Ganguly
[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置くことを全会一致で決定した。据え置きは予想通りで5会合連続。
世界最速で成長するインド経済の成長は底堅く、インフレ見通しは依然不透明なため、インフレ抑制が引き続き主な焦点となっている。
中銀は、7─9月期の経済成長率が予想を上回ったことを受け、2023─24年度成長率見通しを従来の6.5%から7%に引き上げた。
ダス総裁は「インド経済は底堅さと勢いを示している」とし「成長は弾力的で堅調であり、誰もが驚いている」と述べた。
その一方でインフレ見通しはなお不透明と指摘。中銀の中期インフレ目標である4%はまだ達成されておらず、金融政策による積極的なインフレ抑制を続けると表明した。
中銀は、今後も経済成長を支援しながらインフレ率を漸進的に目標に沿わせるため、「緩和の解除」という政策スタンスを維持することも決めた。
中銀はインフレ抑制のため、22年5月以降、計250ベーシスポイント(bp)の利上げを行っている。
インフレ率は10月に4カ月ぶりの低水準となる4.87%まで低下したものの、当面は中銀の中期目標である4%を上回ると予想される。
中銀は23─24年度の消費者インフレ率を5.4%と予想し、前回予想を据え置いた。
ダス総裁は、インフレ率は依然として不透明な食品価格によって見通しづらくなっているとした一方、変動の激しい食品価格と燃料価格を除いたコアインフレ率はおおむね落ち着いてきたと述べた。
エコノミストは金利がしばらく据え置かれると予想している。
キャピタル・エコノミクスの新興国市場担当副首席エコノミスト、シーラン・シャー氏は「経済は非常に好調で、政策を直ちに緩和する必要性は限られる」と述べた。
コタック・インスティテューショナル・エクイティーズのシニアエコノミスト、スボディープ・ラクシット氏は24/25年度にかけてレポ金利を6.5%に据え置くとの予測を維持するとし、成長は引き続き底堅くコアインフレ率は抑制されるとの見方を示した。