ウクライナ大統領、米議員向け演説中止 支援の行方不透明

12月5日、 ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は追加支援の必要性を米議員に直接訴える計画を中止した。キーウで8月代表撮影(2023年 ロイター)
Patricia Zengerle
[ワシントン 5日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、追加支援の必要性を米議員に直接訴える計画を中止した。米議会では移民政策を巡る与野党の対立から、ウクライナ支援の行方が不透明になっている。
上下院の共和党と民主党は、バイデン大統領が10月に要請したウクライナ、イスラエル、メキシコとの国境警備、インド太平洋向けの1060億ドルの予算案について議論してきた。
共和党のジョンソン下院議長はウクライナ支援について、米移民政策の「変革」と関連付ける必要があるとしている。
上院民主党は5日、バイデン氏の要請に対応する1105億ドルの法案を発表した。同党のシューマ上院院内総務は膠着状態を打開するため、共和党に国境政策に関する修正を加える機会を提供すると述べた。
だが、共和党のマコネル上院院内総務は法案に反対票を投じるよう議員に促す考えを示した。
上下両院の議員はこの日、バイデン政権による機密ブリーフィングに出席した。ゼレンスキー大統領がオンラインで演説する予定だったが、シューマー氏はゼレンスキー氏が参加できなかったと明らかにした。
ジョンソン氏はバイデン政権に対し、ウクライナ戦略についてより詳しい情報を公表し、移民政策の変更を法案に盛り込むことを求める書簡を発表した。