中国軍艦接近で豪潜水士負傷、中国側「事実と矛盾」
11月20日、オーストラリアのアルバニージー首相は、日本の排他的経済水域(EEZ)にいた海軍艦船に中国軍艦が接近し豪潜水士が負傷した事案について、中国側が危険かつ職業倫理にもとる行動をしたと指摘した。写真は米サンフランシスコで開催されたAPEC首脳会議で、中国の習近平国家主席と会談するオーストラリアのアルバニージー首相。17日撮影(2023年 ロイター/Loren Elliott)
[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は、日本の排他的経済水域(EEZ)にいた海軍艦船に中国軍艦が接近し豪潜水士が負傷した事案について、中国側が危険かつ職業倫理に欠ける行動をしたと指摘した。
潜水士の負傷は14日に発生。その週に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席したアルバニージー首相は、会議の合間に習近平中国国家主席と短時間、言葉を交わしており、この件を提起したか注目されていた。
アルバニージー氏は20日、スカイ・ニュース・オーストラリアとのインタビューで、負傷者を出した今回の事案は、軍同志の「対話のガードレール」が必要なことを示したと指摘し「これは危険であり、安全ではなく、中国軍艦の職業倫理に欠ける行動だった」と述べた。
「通常のあらゆるルート」を通じて提起し、二国間関係に悪影響を与えると伝えたと説明したが、習氏に直接話したかは明らかにしなかった。
一方、中国国防省は20日、オーストラリア側の発言は事実と矛盾しており、中国政府は豪政府に苦情を申し立てたと発表。声明で、中国の駆逐艦「寧波」は安全な距離を保ちながらオーストラリア海軍のフリーゲート艦「HMASトゥーンバ」を監視・特定し、オーストラリア側の潜水作戦に影響を与える可能性のある活動は一切行わなかったとし、「われわれはオーストラリア側に対し、事実を尊重し、中国に対する無謀かつ無責任な非難をやめるよう求める」とした。