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米つなぎ予算成立、政府機関の閉鎖いったん回避 11月中旬まで

2023年10月01日(日)16時39分

米議会上下両院は30日、政府のつなぎ予算を可決した。共和党のマッカーシー下院議長が同党強硬派の主張を退け、民主党の圧倒的な支持を含む超党派の賛成で成立することとなった。写真は米連邦議会。9月30日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Ken Cedeno)

David Morgan Moira Warburton Makini Brice

[ワシントン 30日 ロイター] - 米議会上下両院は30日夜、政府のつなぎ予算を可決した。共和党のマッカーシー下院議長が、同党のみで投票すべきとする党内強硬派の主張を退け、民主党の圧倒的な支持を含む超党派の賛成で成立することとなった。連邦政府機関の閉鎖が確実な情勢だったが、土壇場で回避した。

法案は11月17日までの暫定予算。下院が335対91で、上院が88対9で可決した。その後バイデン大統領が署名し成立した。

予算が通らず、4回目となる連邦政府機関の閉鎖は確実とみられていた。閉鎖されると、政府職員400万人のほとんどが無給となり、国立公園から金融規制当局まで、さまざまな連邦政府サービスが停止する。

民主党のシューマー上院院内総務は採決後、「民主党は閉鎖を回避する唯一の解決策は超党派主義であると言ってきたが、マッカーシー議長がついにわれわれの言葉に耳を傾けてくれたことをうれしく思う」と語った。

<民主党が勝利宣言>

下院でつなぎ予算を支持した民主党議員は209人と共和党の126人を大幅に上回り、民主党はこの結果を勝利と評価した。

下院民主トップのジェフリーズ院内総務は、米国民が勝利したと強調。トランプ前大統領を支持する過激派「MAGA(米国を再び偉大に)」共和党議員は敗北したと記者団に述べた。

マッカーシー議長は共和党強硬派が同氏の解任を試みる可能性があるとの懸念を一蹴。記者団に「国民のために立ち上がるのに職を賭す必要があるならそうする」と語った。

下院共和党として歳出削減や国境の管理強化などの優先事項を盛り込んだ別の法案の可決を目指す考えを示した。

バイデン大統領は採決後に声明を発表し「われわれはそもそもこうした状況に置かれるべきではなかった。このような作られた危機を回避するためにマッカーシー議長と数カ月前に予算について合意したばかりだ」と指摘した。

「下院共和党は何百万人もの国民に壊滅的な打撃を与える大幅な歳出削減を要求して合意を破棄しようとしたが、失敗に終わった」とした。

ロイター
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