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BRICS拡大巡る協議継続、加盟国間の相違根強く
中国の習近平国家主席は23日、南アフリカ・ヨハネスブルクで開催されている新興5カ国(BRICS)首脳会議の本会議で、BRICSの結束と加盟国拡大を訴えた。(2023年 ロイター/GIANLUIGI GUERCIA)
[ヨハネスブルク 23日 ロイター] - 南アフリカ・ヨハネスブルクで開催されているブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議は23日、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の発言力強化に向けてメンバー拡大を議論した。ただ、加盟国間の相違が根強く、協議はなお続いているもようだ。
今回の会議ではBRICSのメンバー拡大が最重要議題となっている。全加盟国が拡大に支持を表明しているものの、その規模やペースなどを巡っては各国間で見解が分かれている。
南アフリカのパンドール国際関係・協力相(外相)は23日、BRICS首脳が新たに参加を希望する国々を精査するメカニズムで合意したと明らかにした。
南ア外務省が運営するラジオ局で、各国首脳が「拡大を巡り合意した」とし「参加を希望する国々を検討するためのガイドラインや原則、プロセスを定めた文書が採択された」と語った。
だが、協議について直接知る加盟国当局者は、首脳らが最終的な参加の枠組みにまだ署名していないとロイターに明かした。23日の本会議後に採択される予定だったが、インドのモディ首相が新たな条件を提案したため延期されたという。
当局者によると、モディ氏が提案した条件には、国際的な制裁の対象になっていないことが含まれ、イランやベネズエラが除外されることになる。1人当たり国内総生産(GDP)の最低基準を設けることも求めているという。
インド当局者はロイターに対し、協議はなお続いていると語った。
南ア政府当局者によると、BRICS参加に関心を示している国は40カ国を超え、うちイラン、ベネズエラ、アルジェリアなど22カ国は正式に加盟を打診したという。
BRICS諸国は経済規模が大きく異なり、政府の外交政策目標も異なることが多い。中国は欧米への対抗軸として多極的な世界秩序を構築するため、BRICS拡大構想を掲げてきた。
中国の習近平国家主席は23日の本会議で「世界は大きく変化し、分裂し、再編成している。激動と変革の新たな時代に突入した」とし、「結束を通じ自らを強化するというBRICS創設の目的を常に念頭に置くべきだ」と呼びかけた。
ロシアのプーチン大統領も、友好国が存在することを西側に示したい思惑がある。
一方、ブラジルやインドは西側と緊密な関係を築いており、ブラジルのルラ大統領は22日、BRICSは米国や主要7カ国(G7)に対抗するためのものではないと述べた。
*動画を付けて再送します。