ニュース速報

ワールド

英財政計画、IMFが批判 中銀は「大幅な政策対応」想定

2022年09月28日(水)11時45分

国際通貨基金(IMF)は27日、市場の混乱につながっている英国の新たな財政計画について、対象を絞っておらず、国内の不平等拡大につながる可能性が高いと批判した。同日、ロンドン市内で撮影(2022年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 27日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は27日、市場の混乱につながっている英国の新たな財政計画について、対象を絞っておらず、国内の不平等拡大につながる可能性が高いと批判した。英中央銀行は計画に盛り込まれた大規模減税に「大幅な政策対応」を行い、経済の安定を図る構えを示した。

クワーテング財務相は23日、大規模減税と大幅な借り入れ増額を発表。これを受け金融市場には動揺が広がり、ポンドや英債価格が急落した。主要なエコノミストや投資家、企業経営者は財政計画が撤回されない限り投資家の信頼は回復できないと指摘する。

計画は、家庭や企業の光熱費を支援すると同時に、長期的な経済成長率の倍増を目指している。今年度の国債発行額を720億ポンド(771億7000万ドル)引き上げる内容で、市場に衝撃が走った。

IMFの報道官は「英国を含む多くの国でインフレ圧力が高まっていることを踏まえると、現時点では大規模で対象を絞らない財政政策は推奨しない」と述べた。

「最近の英経済動向を注意深く監視し、当局と連携している」とした。

11月23日にクワーテング財務相が公表予定の予算案については「英政府が対象を絞った支援の提供方法を検討し、特に高所得者に有利な税制措置を見直す機会になる」と語った。

イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は同日、11月の会合で大幅な利上げを行う公算が大きいと述べた上で、金融市場の混乱が経済に大きな影響を及ぼす見通しで、中銀の次の予測に織り込まれるとした。

「これには相当な金融政策対応が必要だという結論を出さざるを得ない」と述べた。バークレイズCEPR国際金融政策フォーラムで語った。

ラリー・サマーズ元米財務長官は、英長期金利の急上昇は「信認が失われた印だ」と指摘。

英ヴァージン・アトランティック航空のシャイ・ワイス最高経営責任者(CEO)は英政府に対し、経済情勢の安定化を図り、大規模減税を多額の借り入れで賄う計画が英国の地位を弱めたという事実を受け止めるよう求めた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スイス・スキーリゾートのバーで爆発、約40人死亡・

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 9
    米中関係は安定、日中関係は悪化...習近平政権の本当…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中