ニュース速報

ワールド

インドネシア中銀、政策金利据え置き インフレリスク監視

2022年06月23日(木)18時37分

 6月23日、インドネシア中央銀行は、政策金利の7日物リバースレポ金利を3.50%に据え置いた。写真はルピア紙幣。ジャカルタで2013年6月撮影(2022年 ロイター/Enny Nuraheni)

[ジャカルタ 23日 ロイター] - インドネシア中央銀行は23日、政策金利の7日物リバースレポ金利を3.50%に据え置いた。通貨ルピアの安定を維持しつつ経済成長を支援する。

ロイターが今週まとめたエコノミスト調査でも大半が据え置きを予想していた。

翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)を2.75%に、貸出ファシリティー金利を4.25%にそれぞれ据え置いた。

中銀はインフレの進行に伴うリスクを監視しており、必要に応じて金融政策を調整すると表明。

アナリストは、中銀がルピア相場を押し上げるため、第3・四半期に利上げすると予想している。

中銀のペリー・ワルジヨ総裁は会見で、インフレ期待を含め、引き続きインフレを監視し、必要に応じて金融措置を講じると発言。今年のインフレ率が目標をやや上回り、年内に4.2%になる可能性があるとの見方を改めて示した。輸入インフレを抑制するため、当局がルピアの安定化策を講じているとも指摘した。

総裁は「利上げは実施しながったが、それで対外的な耐性が失われるわけではない」とし、外貨準備が潤沢にあると指摘した。総合国際収支は黒字に、経常収支は小幅な赤字になる見通しという。

世界経済にスタグフレーションのリスクがあるとも指摘。ただ、中銀の今年の国内経済成長予測は4.5─5.3%で据え置いた。

DBS銀行のシニアエコノミストは「中銀は今年下半期にインフレが目標を上回るリスクと対外要因による通貨への圧力を認めたが、政策の正常化を急ぐ姿勢は示さなかった」と述べた。

一部のアナリストは、中銀のハト派的な姿勢を受け、ルピアがさらに下落すると予想。

INGのエコノミストは「現在の流れが続く見通しだ。中銀が最終的に金融政策の調整を決めるまでルピア安は続く。金融政策の調整は下半期になる可能性がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCでの利下げ見送り観測高まる、モルガン

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、前倒しの過度の利下げに「不安」 

ワールド

IAEA、イランに濃縮ウラン巡る報告求める決議採択

ワールド

ゼレンスキー氏、米陸軍長官と和平案を協議 「共に取
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中