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台湾副総統、中国が「ワクチン取得妨害」と改めて非難
台湾の頼清徳副総統は米国滞在最終日に、中国が昨年、台湾の新型コロナウイルスワクチン取得を妨害したという批判を改めて展開し、台湾へのワクチン提供に貢献した米議員に謝意を伝えた。資料写真、26日、ホンジュラス(2022年 ロイター/Edgard Garrido)
[台北 30日 ロイター] - 台湾の頼清徳副総統は米国滞在最終日に、中国が昨年、台湾の新型コロナウイルスワクチン取得を妨害したという批判を改めて展開し、台湾へのワクチン提供に貢献した米議員に謝意を伝えた。
台湾の蔡英文総統は昨年5月、独ビオンテックからワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難していた。
中国は妨害を否定しており、中国が開発したワクチンの提供も申し出たが、台湾は安全性を巡る懸念から拒否した。
蔡総統の発言から約2週間後にはタミー・ダックワース米上院議員が台湾を訪問。米政府が台湾に75万回分のワクチンを供与すると明らかにした。
頼副総統は、外交関係があるホンジュラスを訪問した帰路に立ち寄ったサンフランシスコで、ダックワース氏に謝意を表明。
昨年、台湾が中国要因でワクチンを入手できなかった際の対応について特に感謝していると述べ、「台湾にワクチンを提供するようバイデン政権に積極的に働き掛けただけでなく、自ら台湾を訪問し、米国のワクチン供与を発表してくれた」と述べたという。頼氏に同行した蕭美琴・駐米台北経済文化代表処代表(駐米大使に相当)の発言として台湾総統府が発表した。
中国外務省は「全くのでっち上げ」であり、「中国の素顔に対する悪意のある誹謗中傷だ」と反論した。
台湾は最終的に昨年9月、ビオンテックのワクチンを入手し始めた。台湾の世界的なハイテク大手2社などが直接交渉し、契約をまとめた。
頼氏の外遊は表向きにはホンジュラス大統領就任式への出席が主な目的だったが、ホンジュラスではハリス米副大統領と会話を交わしたほか、28日にはペロシ米下院議長とオンライン会談を行うなど、重要な台湾支持国である米国との外交に時間を割いた。