ニュース速報

ワールド

台湾副総統、中国が「ワクチン取得妨害」と改めて非難

2022年01月31日(月)11時59分

台湾の頼清徳副総統は米国滞在最終日に、中国が昨年、台湾の新型コロナウイルスワクチン取得を妨害したという批判を改めて展開し、台湾へのワクチン提供に貢献した米議員に謝意を伝えた。資料写真、26日、ホンジュラス(2022年 ロイター/Edgard Garrido)

[台北 30日 ロイター] - 台湾の頼清徳副総統は米国滞在最終日に、中国が昨年、台湾の新型コロナウイルスワクチン取得を妨害したという批判を改めて展開し、台湾へのワクチン提供に貢献した米議員に謝意を伝えた。

台湾の蔡英文総統は昨年5月、独ビオンテックからワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難していた。

中国は妨害を否定しており、中国が開発したワクチンの提供も申し出たが、台湾は安全性を巡る懸念から拒否した。

蔡総統の発言から約2週間後にはタミー・ダックワース米上院議員が台湾を訪問。米政府が台湾に75万回分のワクチンを供与すると明らかにした。

頼副総統は、外交関係があるホンジュラスを訪問した帰路に立ち寄ったサンフランシスコで、ダックワース氏に謝意を表明。

昨年、台湾が中国要因でワクチンを入手できなかった際の対応について特に感謝していると述べ、「台湾にワクチンを提供するようバイデン政権に積極的に働き掛けただけでなく、自ら台湾を訪問し、米国のワクチン供与を発表してくれた」と述べたという。頼氏に同行した蕭美琴・駐米台北経済文化代表処代表(駐米大使に相当)の発言として台湾総統府が発表した。

中国外務省は「全くのでっち上げ」であり、「中国の素顔に対する悪意のある誹謗中傷だ」と反論した。

台湾は最終的に昨年9月、ビオンテックのワクチンを入手し始めた。台湾の世界的なハイテク大手2社などが直接交渉し、契約をまとめた。

頼氏の外遊は表向きにはホンジュラス大統領就任式への出席が主な目的だったが、ホンジュラスではハリス米副大統領と会話を交わしたほか、28日にはペロシ米下院議長とオンライン会談を行うなど、重要な台湾支持国である米国との外交に時間を割いた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金総書記、新誘導技術搭載の弾道ミサイル実験

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、25年に2%目標まで低下へ=E

ビジネス

米国株式市場=ダウ終値で初の4万ドル台、利下げ観測
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中