ニュース速報

ワールド

EUのCO2排出量、20年は10%減=ユーロスタット

2021年05月08日(土)01時56分

[7日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)は7日、化石燃料による二酸化炭素(CO2)の排出量が2020年に前年比10%減ったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する対策により域内全土で渡航が禁止されたり工場が閉鎖したりしたことを理由として挙げた。

統計は、石油と石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃焼した際に発生するCO2が対象。ユーロスタットによると、石油・石油製品の消費がほぼ全ての加盟国で減った。天然ガスの消費は15カ国で減少。「一方、再生可能エネルギー(特に風力と水力、太陽光)が発電に占める率が大幅に増えた」とした。

CO2排出は全27カ国で減った。減少率が最も高かったのがギリシャとエストニア、ルクセンブルクの約18%だった。EUの排出量の4分の1を占めるドイツは9%近く減少。イタリアとフランス、ポーランド、その他主要な排出国は8─11%減った。

EUは温暖化対策として、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指している。実現には、再生可能な水素燃料やエネルギーの保管などの技術を普及させ、産業界が「グリーン」化する必要がある。

ただ、フランスとドイツの裁判所が排出削減に各国が一段と尽力しなければならないとする一方、ポーランドは脱石炭に悲観的であり、EUのグリーン化資金を受け取れない可能性がある状況だ。ポーランドはEUで唯一、19年に設定した50年までのカーボンニュートラル目標に同意しなかった。石炭産業関係者の支持は長年、ポーランド政府の重要な基盤である。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米8月の貿易赤字、23.8%減の596億ドル 輸入

ワールド

独財務相「敗者になること望まず」、中国の産業補助金

ワールド

EU、AIとプライバシー規制の簡素化案を公表 厳格

ワールド

26年サッカーW杯、低調な米国観光業に追い風 宿泊
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中