ニュース速報

ワールド

ブラジル中銀、3.50%に追加利上げ インフレ対応で一段の措置も

2021年05月06日(木)10時07分

[ブラジリア 5日 ロイター] - ブラジル中央銀行は5日に開いた金融政策委員会(COPOM)で、政策金利を2.75%から3.50%に引き上げた。75ベーシスポイント(bp)の利上げは2会合連続で、6月の追加利上げも示唆した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による逆風にもかかわらず、インフレ上昇を受け世界で最も速いペースの利上げを余儀なくされている。

COPOMによると、利上げは全会一致だった。ロイター調査のエコノミスト29人全員が75bpの利上げを予想していた。3.50%への利上げは中銀当局者が事前に示唆しており、インフレ懸念が新型コロナによる経済への影響を巡る懸念を上回っていることを浮き彫りにした。

ブラジル中銀は年末目標を3.75%とし、上下ともに1.5%ポイントの許容範囲を設けている。3月の物価は前年比6.10%上昇し、年末目標の上限である5.25%を大幅に超えた。

COPOMは次回会合でも同規模の利上げを行うと予想した。

声明で「現時点の基本シナリオは、景気回復期においてある程度の金融刺激を維持するため、政策金利の部分的な正常化が引き続き適切であることを示している」と指摘。

一方で、「この計画は確約ではなく、インフレ目標達成を確実にするために将来の金融政策が調整される可能性があることを強調する」と述べた。

また、インフレ率の基本シナリオは今年末時点で5.1%とした。目標レンジ上限の5.25%に近い水準。来年の基本シナリオは3.4%と、目標中央値に当たる3.5%をやや下回る水準となった。

さらに、経済の不確実性が高まっていることを認めたほか、「(今回の決定は)経済変動をスムーズにすることも意味し、完全雇用を促す」と指摘し、労働市場に異例の言及も行った。

市場の一部では、必要なら中銀はさらに積極的になるとの見方も。ラボバンク(サンパウロ)のチーフエコノミスト、マウリシオ・ウネ氏は「将来の調整ペースがやや加速する可能性があると受け取れるタカ派傾向が見られた。これからのあらゆるリスクを考慮すると、政策金利は今年末時点で5.5%、来年末には6.5%になっている可能性がある」とした。

フルミネンセ連邦大学(リオデジャネイロ州)のフリア・ブラガ准教授(経済学)は、通貨高がインフレ圧力緩和につながり、過度な金融引き締めを防ぐと指摘。「新型コロナや政局、財政見通しを巡る不透明感が高まっている。中銀は柔軟性を求めているほか、行動を取る可能性が引き続きあることを示唆している」と述べた。

*内容を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 2
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 10
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中