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米パーミアン盆地の送油管、半数近くが遊休状態 コロナで生産減
米最大のシェールオイル層パーミアン盆地を始点とするパイプラインの半数近くが、年内に遊休状態になるとみられている。2016年3月撮影(2021年 ロイター/Nick Oxford)
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米最大のシェールオイル層パーミアン盆地を始点とするパイプラインの半数近くが、年内に遊休状態になるとみられている。アナリストや石油企業幹部の話で明らかになった。
2018─19年にかけて、米原油生産が過去最高の日量1300万バレルに急増する中、パイプライン運営各社はこれに対応するため、パイプライン建設を急いだ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、燃料需要と石油生産が打撃を受けた。需給とも完全には回復しておらず、多くの送油管が遊休状態となっている。
大手パイプライン運営会社は、遊休パイプラインを使って、他の製品を輸送する方法を模索しているほか、資金調達のため、パイプラインの権益売却を検討している。
新型コロナのパンデミックは、世界のエネルギー供給システムと燃料需要に影響を及ぼした。米国のガソリン消費はピークを過ぎたとみられる中、製油業者の原油処理量が少なく、生産会社もパイプライン輸送を十分に使用できていない。
エネルギー調査会社ウッド・マッケンジーによると、今年第4・四半期までに、パーミアン盆地を始点とする最大規模の石油パイプラインの稼働率は57%に落ち込む見通し。これまで稼働率が最も低かったのは16年の約70%だった。
現在の米原油生産量は日量約1100万バレルで、22年まで大幅な増加は見込まれないが、エネルギー調査会社イースト・ダレイ・キャピタルによると、今後も新たなパイプラインの稼働が控えている。
商社大手トラフィグラのチーフエコノミストは、「石油生産は、22年末まで新型コロナ前の水準に戻らない」との見方を示した。