ニュース速報

ワールド

欧州当局、コロナワクチンは時間かけ審査 拙速な認可に警戒の声

2020年12月03日(木)01時58分

欧州医薬品庁(EMA)は2日、新型コロナウイルスワクチンの安全性審査により時間をかける方針を示した。欧州議会からは拙速な認可に警戒する声もでている。2日作成・撮影。(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州医薬品庁(EMA)は2日、新型コロナウイルスワクチンの安全性審査により時間をかける方針を示した。また欧州議会からは拙速な認可に警戒する声もでている。

英政府は2日、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認。ファイザーの新型コロナワクチンの承認は世界初で、最速での認可となった。

英国の緊急使用許可に対してEMAは、一段の根拠と検査が必要な時間をかけた審査が適切との立場を示し、「現下のパンデミック(世界的な大流行)からみて、条件付きでの認可が最も適切な判断だと考えている」とした。

EMAは前日、この手順に基づいて29日までに承認する可能性があると表明していた。

欧州連合(EU)の規制では、ファイザーのワクチンにはEMAの認可が必要となるが、各国は緊急措置として、それぞれの国内で一時的に使用を許可することは認められている。

欧州委員会の報道官は、EMAの手続きの方がより多くの根拠に基づいているとした上で、「これこそEU市民が安全で有効なワクチンを得るための最も効果的な規制手続きだ」と述べた。

こうした中、欧州議会の一部議員からは、英国の拙速な認可を疑問視する声が上がった。

ドイツキリスト教民主同盟(CDU)のメンバーであるペーター・リーゼ議員は「英国の決定には問題があると考えられ、こうした手続きを繰り返さないようEU加盟国に進言する」と表明。「EMAによる数週間に及ぶ綿密な審査は、ワクチンの緊急販売承認を急ぐよりも優れている」と述べた。

ファイザーの英国担当マネジャー、ベン・オズボーン氏は「当社としては双方の規制当局に完全なデータパッケージ、つまり非盲検データを提供している。従ってデータ提出の違いではなく、基本的な手続きや日程の違いにすぎない」と指摘した。

英国医薬品庁(MHRA)のレイン長官は「いかなる手続きも省いていない」と強調。6月に初のデータを受け取ってから厳密な審査を行ってきたとし、「安全がわれわれのモットーだ」と述べた。

米国のアザー厚生長官はFOXビジネス・ネットワークとのインタビューで、ファイザーのワクチンが初承認されたことについて「米国民にとっても非常に心強い。他国の独立した規制当局がこのワクチン使用を安全かつ有効と判断したわけであり、米食品医薬品局(FDA)にも承認手続きを進めてもらいたい」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エネ市場の緊張が金融安定に及ぼす影響を懸念=イタリ

ワールド

ゴールドマンとシティ、パリの従業員を在宅勤務 爆破

ワールド

英企業、エネ価格急騰で値上げ加速へ 雇用削減見込む

ビジネス

テスラの中国製EV販売、2四半期連続増 3月単月も
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 3
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経済政策と石油危機が奏でる「最悪なハーモニー」
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 6
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    カンヌ映画祭最高賞『シンプル・アクシデント』独占…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中