ニュース速報

ワールド

ロシア反体制指導者ナワリヌイ氏が退院、医師「完全回復は可能」

2020年09月24日(木)00時34分

 9月23日、先月飛行機内で体調が急変しベルリンの病院で治療を受けていたロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が退院した。写真はベルリンの病院で撮影。インスタグラムより(2020年 ロイター/Instagram @navalny/Social Media)

[ベルリン/モスクワ 23日 ロイター] - 先月飛行機内で体調が急変しベルリンの病院で治療を受けていたロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が退院した。同病院が23日明らかにした。

ナワリヌイ氏は一時昏睡状態となっていた。ドイツ政府は、独仏に加えスウェーデンで実施された検査で神経剤ノビチョクが使われた証拠が得られたと指摘している。

ナワリヌイ氏が入院していたシャリテ病院は声明で「治療に当たった医師団は患者の経過と現在の状態から完全な回復は可能と考えている。しかし、重度の中毒による長期的な影響を測定するにはまだ早い」と説明した。

同氏は32日間入院し、このうち24日は集中治療室で治療を受けたという。

ナワリヌイ氏は23日、カジュアルな服装で公園のベンチに座る自身の写真をインスタグラムに投稿。「片足で立つ、手の指の完全なコントロールを取り戻す、体の平衡を維持する」ことを目指し、リハビリに励みたいとした。

支持者は同氏がいつかはロシアに戻るとしているが、ナワリヌイ氏自身はこの日、ロシアに帰る計画については言及しなかった。

ナワリヌイ氏は19日にインスタグラムへの投稿で、手が思い通りに動かず足が震えるため、電話を使ったり水を注いだり階段を上ったりすることが困難と明らかにしていた。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ナワリヌイ氏の回復に安堵(あんど)したとし、他のロシア国民と同様に、同氏の帰国を歓迎すると述べた。

ただ、仏ルモンド紙が匿名の関係筋の話として、ロシアのプーチン大統領がフランスのマクロン大統領と14日に行った電話会談で、ナワリヌイ氏は自分で毒を飲んだ可能性があると語ったと報じたことには反発。ルモンド紙は首脳会談の詳細を知る立場になく、報道内容は正確性を欠くと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ウクライナ和平案の感謝祭前の合意に圧力 欧州は

ビジネス

FRB、近い将来の利下げなお可能 政策「やや引き締

ビジネス

ユーロ圏の成長は予想上回る、金利水準は適切=ECB

ワールド

米「ゴールデンドーム」計画、政府閉鎖などで大幅遅延
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中