ニュース速報

ワールド

米、中国総領事館の閉鎖命令 トランプ氏「追加閉鎖常にあり得る」

2020年07月23日(木)09時57分

米政府はテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じた。中国外務省によると、通告があったのは21日で、3日以内に閉鎖するよう求められた。写真は同総領事館(2020年 ロイター/ADREES LATIF)

[北京/ワシントン 22日 ロイター] - 米政府はテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じた。中国外務省によると、通告があったのは21日で、3日以内に閉鎖するよう求められた。関係筋の情報では、中国は対抗措置として湖北省武漢市の米国総領事館の閉鎖を検討しており、米中関係は急速に悪化している。

トランプ大統領は、他の中国在外公館の閉鎖も常にあり得るとの見方を示した。

中国は米国の措置を強く非難。外務省の汪文斌報道官は定例会見で「総領事館の閉鎖通告は一方的で前例のないエスカレートした行動だ」とした上で「われわれは米国にこの誤った決定を直ちに取り消すよう求める。米国が間違った道を進むというなら中国は断固とした対抗措置を取る」と言明した。

また華春瑩報道官はツイッターで「米政府による悪口や憎悪のあおりのおかげで、ワシントンの中国大使館に爆破予告や殺害予告が届いている」と明らかにした。

一方、米国務省は中国総領事館の閉鎖について、米国の知的財産権と個人情報の保護が目的と説明。ポンペオ国務長官は、中国が米欧の知的財産権を窃取しており、それによって何十万人もの雇用が犠牲になっているとし、「トランプ大統領も散々口にしているが、われわれはこうしたことが繰り返されることを容認しない」と述べた。

さらに「中国が態度を改めない場合、米国の国民や国家安全保障、国内の経済や雇用を守るために行動する」と強調した。

トランプ大統領は22日の会見で記者の質問に対し、米国内にある他の中国の在外公館閉鎖は「いつでもあり得る」と述べた。また、ヒューストンの総領事館で煙が上がったことについて「書類を燃やしていたのだろう。どういうわけか疑問に思う」と語った。

ヒューストンの総領事館では21日、煙が上がったため地元の消防隊が駆けつけた。複数の米政府当局者は、書類が燃やされていたという情報があると述べた。

米紙ニューヨークタイムズによると、スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)はヒューストンの中国総領事館について、中国軍が学生を米大学に送り込み軍事面での優位を高める企ての「拠点」になっていたと語った。

スティルウェル氏によると、同総領事館の総領事と外交官2人が最近、ヒューストン空港で中国行きのチャーター機出発を待っていた際に空港内で不審な行動に関与したとして拘束されたという。

コンウェイ米大統領顧問は、今回の措置の趣旨を問われ、トランプ大統領が新型コロナウイルスを巡る中国の対応に引き続き不満を抱いていると表明。「中国からは依然情報が届いておらず、感染者や死者の数なども不明だ」とした。

米上院情報委員会の委員長代行を務めるルビオ上院議員(共和)はFOXニュースに対し、ヒューストンの中国総領事館が巨大なスパイ活動のいわば窓口に相当し、中国は「財界を利用して議会や政界の要人らへの影響力を深めようとしている」と指摘。総領事館の閉鎖は遅きに失したと述べた。

最近まで米国家情報長官代行を務めていたリチャード・グレネル前駐独米大使は、米国はIT(情報技術)産業が盛んなサンフランシスコの中国総領事館も閉鎖する可能性があるとの見方を示した。

同氏はロイターに対し、「私なら(ヒューストンとサンフランシスコの)両方を閉鎖しただろうが、まず1カ所から始めるのも理にかなっている」と述べた。

*トランプ大統領のコメントなどを追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、移民判事をさらに解雇 親パレスチナ学生送還

ビジネス

豪消費者信頼感指数、4月は2年超ぶり低水準 中東紛

ワールド

豪企業信頼感指数が急落、イラン戦争の影響懸念

ワールド

トランプ氏投稿のキリスト風画像、支持層の批判で削除
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 5
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 6
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 10
    BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音楽市場で…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中