ニュース速報

ワールド

ムーディーズ、南アをジャンク級に格下げ さらなる逆風に

2020年03月28日(土)16時03分

格付け会社ムーディーズは27日、南アフリカのソブリン信用格付けを「Baa3」からジャンク級に当たる「Ba1」に引き下げた。見通しは「ネガティブ」とした。パリで2011年10月撮影(2019年 ロイター/PHILIPPE WOJAZER)

[ヨハネスブルク 27日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは27日、南アフリカのソブリン信用格付けを「Baa3」からジャンク級に当たる「Ba1」に引き下げた。見通しは「ネガティブ」で、さらに格下げとなる可能性が示唆された。

ムーディーズは格下げの主な理由として、財政的な堅固さが引き続き弱まっていることや成長が構造的に非常に弱いことを挙げた。

すでに景気後退(リセッション)入りし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響に直面している同国にとって、痛手となることは必至。

南アのムボウェニ財務相は、格下げは金融市場にとってさらなる圧力になるとコメントした。

その上で、政府は景気減速と国有企業の業績悪化に向け改革を進めていると強調した。

ロイター調査では、アナリストの大半が格下げを予想していた。

南アのジャンク級への格下けは、すでにS&Pグローバルとフィッチが2017年に実施しており、3大格付会社ではムーディーズが最後となる。

ジャンク級となったことで、南ア国債は世界国債インデックス(WGBI)から除外される。アナリストはこれにより最大で110億ドルの投げ売りがあると予想している。

ただ、WGBIの構成見直しは4月末に延期されていることから、週明けの市場の反応が控えめになる可能性もある。

アナリストの中には、格下げで不透明感が払拭されたことで通貨ランドの買い加速を予想する声もある。

ただスタンリブのチーフエコノミスト、ケビン・リングス氏はこうした可能性に否定的な見方を示し、「格下げを巡る不透明感がなくなったからといって、海外から買いが入るとは思えない。今の市場は、格付けよりもウイルスに左右されている」と指摘した。

*内容を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ

ワールド

中国、EU産豚肉関税を引き下げ 1年半の調査期間経

ビジネス

英失業率、8─10月は5.1%へ上昇 賃金の伸び鈍

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、12月速報値は51.9 3カ月
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中