ニュース速報

ワールド

英蘭、ロシアによるサイバー攻撃を非難 「ならず者国家の仕業」 

2018年10月05日(金)04時13分

 10月4日、英国とオランダはロシアが世界的なサイバー攻撃を組織的に実施しているとして非難した。ワシントンのロシア大使館で8月撮影(2018年 ロイター/BRIAN SNYDER)

[ブリュッセル/ロンドン/ハーグ 4日 ロイター] - 英国とオランダは4日、ロシアが世界的なサイバー攻撃を組織的に実施しているとして非難した。こうしたサイバー攻撃にはオランダ・ハーグに本部がある化学兵器禁止機関(OPCW)に対するものも含まれている。

英国とオランダは北大西洋条約機構(NATO)の国防相理事会がブリュッセルで開かれる中、ロシアによるサイバー攻撃を非難。英国のウィリアムソン国防相は「こうした行為は大国が行うことではない。ならず者国家が行うことだ」と述べた。

欧州連合(EU)幹部も懸念を表明。EUの執行機関である欧州委員会のユンケル委員長、トゥスクEU大統領、モゲリーニ外交安全保障上級代表は声明で、「国際法や国際機関を弱体化させるこうした行動を非難する」と指摘。「EUはデジタル領域における管轄組織や加盟国、国際的なパートナーや機関の対応力を引き続き強化する」とした。

またマティス米国防長官は、OPCWに対するハッキングについてロシアが責任を負う必要があるとし、ロシアは代償を払うべきで、問題への対応について多くの選択肢があると語った。

オランダ当局は、ハーグに本部があるOPCWが4月にサイバー攻撃を受けたが未然に防いだと表明。当局は当時、英国で発生したロシアの元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏に対する暗殺未遂事件と、アサド政権下のシリアの双方で使用された疑いのある化学兵器について捜査を進めていた。

オランダ当局によると、4月10日に4人のロシア人がオランダに入国。その3日後にOPCW本部に隣接するホテルでスパイ行為に利用できる機器を所持しているところを拘束された。4人はその後、OPCWがサンプル分析を行うスイスのシュピーツ研究所に向かう予定だったが、ロシアに強制送還された。

オランダ当局は4人のパスポートのコピーを公表。オランダ軍当局者は「多くの国際機関が本部を置いているオランダで(ロシア軍の諜報機関が)暗躍している」と述べた。

これに先立ち英政府は、2016年の米大統領選やスポーツイベント、交通網に至るまでの幅広い分野で混乱を引き起こした一連のサイバー攻撃は、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)によるものだと結論付け、ロシアを非難。

国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)の調査で、15年に英国のテレビ局から電子メールが流出した事件をはじめ、16年の米民主党全国委員会(DNC)、17年の世界反ドーピング機関(WADA)などがサイバー攻撃を受けた事件について、ほぼ間違いなくGRUが背後で指揮していたことが裏付けられたとした。

英国のハント外相は、OPCWにサイバー攻撃が仕掛けられたことは、スクリパリ氏の暗殺未遂事件の背景にロシアがいることを裏付ける一段の証拠となるとの見方を示した。

ロシアは関与を否定しており、西側諸国による非難を受け、ロシアの国際社会での孤立が一段と深まる可能性がある。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランに48時間以内のホルムズ開放求め

ワールド

イラン、イスラエルの核施設付近攻撃 初めて長距離ミ

ビジネス

アングル:コーヒー相場に下落予想、「ココア型暴落」

ワールド

アングル:米公共工事から締め出されるマイノリティー
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    メーガン妃、親友称賛の投稿が波紋...チャリティーの場でにじんだ「私的発信」
  • 4
    BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中