ニュース速報

ワールド

ヘンリー英王子とメーガンさんが結婚、祝福に包まれる

2018年05月19日(土)22時22分

 5月19日、英国のヘンリー王子と米女優メーガン・マークルさんはきょうの現地時間正午(日本時間午後8時)に、10世紀近く英王室の居城となってきたウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げる。写真は18日、城の外でワインを飲む王室ファンたち(2018年 ロイター/Phil Noble)

[ウィンザー(英国) 19日 ロイター] - 英国のヘンリー王子(33)と米女優メーガン・マークルさん(36)は、10世紀近く英王室の居城となってきたウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げた。

純白のウェディングドレスをまとったマークルさんは、ページボーイや花嫁介添え人を従えて、エスコートなしで15世紀築の礼拝堂の通路を歩き、礼拝堂の中ほどでチャールズ皇太子と合流。祭壇前で待つヘンリー王子のもとへ向った。

「死が2人を別つまで」との愛の誓いをたてた後、王位継承順位6位のヘンリー王子は、ウェルシュゴールドの結婚指輪をマークルさんの指にはめた。

式にはエリザベス女王のほか、王室メンバーや、米国の人気司会者オプラ・ウィンフリーさんら著名人が参列。イギリス国教会のカンタベリー大主教が、2人が夫婦となったと宣言した。

結婚により、米ロサンゼルス出身のマークルさんは、世界で最も格調高い王室の1つである英国王室に加わった。

結婚式は王室の伝統にのっとって行われたが、マークルさんは現代的な要素も持ち込んだ。

マークルさんは、「夫に従う」との宣誓は行わず、ヘンリー王子も慣習に従わずに結婚指輪を身につける。マークルさんの父は心臓手術のため欠席と報じられた。また、米国人で黒人のマイケル・ブルースカリー司教が、公民権運動指導者のマーチン・ルーサー・キング牧師の言葉を引用しつつ、情熱的な説教を行った。

マークルさんを乗せたロールスロイスのリムジンが城へと向う沿道には、数万人のファンがつめ掛け、英国や米国の国旗を振って祝福した。

近くにある世界で最も忙しい空港の1つヒースロー空港では、ウィンザー城上空の空域を式の前の15分間閉鎖した。

エリザベス女王は結婚式を前に、孫にあたるヘンリー王子を「サセックス公爵」に叙すると発表した。マークルさんは結婚と同時に「サセックス公爵夫人」と呼ばれることになった。

<快晴の青空>

青空とまばゆい太陽の下、真紅の制服姿の軍の音楽隊が音楽を奏で、城の周りに集まったファンを盛り上げた。一方で、半自動小銃を持った警察官が町をパトロールしたり、屋上から監視を行った。

出席した有名人の中には、米国人俳優ジョージ・クルーニーさん夫妻や、元サッカー選手のデービッド・ベッカムさんと妻のビクトリア・ベッカムさん、テニス選手のセリーナ・ウィリアムズさん、歌手のエルトン・ジョンさんらがいた。

礼拝堂は、ヘンリー王子の母の故ダイアナ元妃が愛した白いバラの花で飾られた。

「英国王室の再生を皆で祝うことができる日だ」と、スコットランドから来たというケニー・マクキンレーさん(60)は語り、「国中が分断されるのではなく、一緒になって英国人であることを誇れる時だ」と付け加えた。

ロンドンの30キロ西にある絵のように美しいウィンザーの狭い道には、約10万人の王室ファンが詰め掛けると見込まれている。訪問者は、城の周囲に設けられた警察のチェックポイントを通過しなくてはならない。ウィンザー城は、1066年以降、39人の英国王が居城としてきた。

エリザベス女王の孫で、王位継承順位6位のヘンリー王子と、離婚暦がありアフリカ系米国人と白人の父を持つマークルさんの結婚は大きな注目を集めており、ウィンザーにはテレビのカメラクルー数百人が集まった。

黒人英国人の中には、今回の結婚が人種的な障壁の崩壊を意味しており、最もエリートで伝統ある場所に加わるにも、出自が問題にならない「現代的な英国」を体現したものと受け止めている人もいる。

一方で、欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)によって分断に直面する英国にとって、今回の結婚は意味がない、もしくは一時の気晴らしに過ぎないと考える人もいる。世論調査に対し、大半の英国人は結婚式の中継は見ないと答えている。

<マークルさんの父は欠席>

マークルさんの父でテレビの照明ディレクターのトーマス・マークルさん(73)は、一部米メディアに最近心臓手術を受けたばかりとの理由で、式の直前に欠席を表明した。

マークルさんの母ドリア・ラグランドさん(61)は、18日にエリザベス女王(92)と夫のフィリップ殿下(96)に面会した。女王夫妻は、約600人の参列客とともに、結婚式に出席した。

結婚式では、伝統的な賛美歌に加え、聖歌隊により米国人歌手ベン・E・キングの1960年代のヒット曲「スタンド・バイ・ミー」も歌われた。また、ヘンリー王子の母、故ダイアナ元妃の姉のジェーン・フェローズさんが朗読を行った。

結婚式を終えた2人は、城の敷地内で一般観衆1200人にあいさつし、その後馬車に乗って町をパレード。

その後、ウィンザー城の聖ジョージズ・ホールで披露宴が行われるほか、夕刻にも城内のフロッグモアハウスで約200人を招待したレセプションが行われる。

2人はすぐにはハネムーンに出かけず、来週には夫婦として初の公務が予定されている。

<一目ぼれ>

かつて度重なるスキャンダルで王室の問題児だった元陸軍軍人のヘンリー王子は、2016年7月に共通の友人のアレンジした「ブラインドデート」で初めてマークルさんに出会った。当時、マークルさんは王子のことはあまり知らず、ヘンリー王子もマークルさんや出演作品について知らなかったという。

それでも王子にとっては「一目ぼれ」だった。そのわずか4週間後には、アフリカ南部ボツワナの星降る草原にマークルさんを連れてキャンプに出かけた。

「メーガンとは信じられないほどすぐに恋に落ちた。これは、星の配置が全てパーフェクトだったからだ」とヘンリー王子は昨年11月の婚約発表時のインタビューで語った。

この時お披露目した婚約指輪は、イエローゴールドの土台に、ボツワナ産ダイヤモンドと、1997年に自動車事故で死亡した王子の母、ダイアナ元妃のコレクションから選んだ宝石2つをあしらったものだ。

ヘンリ―王子との交際が進むにつれ周囲の注目も高まったが、マークルさんへの注目は、ポジティブなものばかりではなく、王子は2016年11月、メディアを非難する異例の声明を出し、マークルさんについての一部報道が人種偏見的で女性差別的だとして批判した。

やんちゃなヘンリー王子は、常に英王室の人気者だった。だが、母親の死の衝撃によって、王子が道を踏み外しかけた時期があり、10代のころはたびたび良からぬ振る舞いがニュースに取り上げられた。王子は2002年、英王室が所有する別荘近くのパブで、飲酒年齢未満なのに酒に酔い、大麻を吸ったことを認めている。

しかし、陸軍に入り、メディアの注目を逃れ、恵まれた生活を捨ててアフガニスタンに2度従軍するなどの経験を積んだことで、落ち着きを取り戻していった。20代のころに神経衰弱寸前まで行ったことがあると告白したヘンリー王子の率直な態度に加え、天性の人懐っこさが、多くの英国民に親近感を抱かせている。

一方、米ロサンゼルス出身のマークルさんは、2002年に医療ドラマ「ジェネラル・ホスピタル」でテレビデビューを果たし、その後さまざまなテレビ番組や映画に出演している。

2011年に映画プロデューサーのトレバー・エンゲルソン氏と結婚したが、2年後に離婚。「スーツ」でのレイチェル・ゼイン役が出世作となった。先月放映されたスーツのエピソードでは交際相手と結婚し、それを最後に降板している。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

*写真を更新しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

MAGAZINE

特集:英国の悪夢

2019-4・ 2号(3/26発売)

EU離脱のタイムリミットを延期しても希望は見えずハードブレグジットの経済的損失は予測をはるかに超える

人気ランキング

  • 1

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレディの悲劇

  • 2

    「ADHDと睡眠障害は表裏一体である」との見解が明らかに

  • 3

    ADHDに「倫理に反する。費用もかかる」救世主が現れた?

  • 4

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 5

    KKKに入会し、潜入捜査を行った黒人刑事の実話『ブラ…

  • 6

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 7

    アフリカの違法エナジードリンク、「6時間たちっぱ…

  • 8

    『ボヘミアン・ラプソディ』ゾロアスター教とフレデ…

  • 9

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【…

  • 10

    日本の採用面接は人物を正しく評価できない グーグ…

  • 1

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレディの悲劇

  • 2

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【名画の謎を解く】

  • 3

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本に注目が集まる

  • 4

    日本の重要性を見失った韓国

  • 5

    500年間誰も気づかなかったダビデ像の「目の秘密」【…

  • 6

    「この国に銃は必要ない」ニュージーランドで銃の自…

  • 7

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 8

    「韓国にまともな民主主義はない」アメリカも抱く誤…

  • 9

    アフリカの違法エナジードリンク、「6時間たちっぱ…

  • 10

    日本よ!「反韓・嫌韓」は時間の無駄だ

  • 1

    日本の重要性を見失った韓国

  • 2

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレディの悲劇

  • 3

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 4

    自殺者数、米軍兵力、初任給... 韓国のリアルを10の…

  • 5

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【…

  • 6

    【動画】サメを虐待した金持ち息子に軽すぎる刑

  • 7

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 8

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 9

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本…

  • 10

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
NWデジタル編集部ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!