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自公が衆院の3分の2超、立憲は3倍の躍進 首相は「謙虚に」
写真は安倍晋三首相。都内で21日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 23日 ロイター] - 第48回衆院選は、自民党が公示前に迫る283議席(追加公認含む)を獲得し、公明党と合わせて465議席の3分の2を上回った。政権交代を訴えた希望の党は公示前勢力を下回る一方、公示前の3倍を超える勢力となった立憲民主党は54議席と野党第1党に躍り出た。与党は、法案の衆院での再可決と憲法改正の発議が可能になった。
安倍晋三首相は22日夜、「選挙結果に謙虚に向き合う」と述べた。自民党の二階俊博幹事長は、安倍晋三首相に対する信任を得たとの認識を示した。
安倍首相は、憲法改正について「時期ありきではない。しっかりと憲法審査会で議論して、あるいは国会において議論をしていかなければならない」と語った。
そのうえで「与党だけで発議しようとは考えていない。できるだけ多くの方々の賛成を得るべく努力していきたい」、「希望の党をはじめ、他の政党とも話をさせていただきたい」と述べた。
二階幹事長は、来年9月の自民党総裁選での安倍総裁の3選支持のスタンスに変化はないとの見解も示した。
ただ、自民党の岸田文雄・政調会長は、安倍総裁の3選が有力かとの質問に対し、「1年近く先の話であり、今から話すべきことではない」「何があるかわからない。一寸先は闇だ」と語った。
また、同党の小泉進次郎・筆頭副幹事長も「政治は何が起きるかわからない。来年のことを話すのは早い」と語った。
一方、政権交代を掲げた希望の党は、公示前の57議席を維持できず、野党第1党の座を立憲民主党に譲り渡す結果になった。
小池百合子代表は22日夜、出張先のパリで記者団の質問に答え、非常に厳しい結果だと述べるとともに「これまでの言動で、不快な思いを抱かせたことは申し訳ない」と語った。
公明党は目標の35議席に届かず29議席となり、連立与党内で明暗を分けている。
野党側では、立憲民主党が躍進し、今後の国会運営では、安倍政権との対立を鮮明にしていくとみられる。
日本共産党は12議席となり、公示前から大幅に議席を減らした。日本維新の会は、地盤の大阪で小選挙区で競り負けるところがあり、公示前勢力を下回った。
東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は「選挙の序盤戦では希望の党がかなり取るのではないかと言われていたが、結局のところ小池代表の失言などもあり失速した」と指摘。
そのうえで「安倍政権への批判票が、希望の党、立憲民主党、その他の野党の間で分散してしまった。その結果、自民党が勝利したということだと思う」と分析した。
金融・資本市場も選挙結果を見守ってきたが、三菱東京UFJ銀行・チーフアナリストの内田稔氏は「アベノミクスと日銀の緩和路線が継続されるという安心感から、週明けの市場はいったん株高・円安で反応するだろう」と予想。
そのうえで「経済政策の進展に対する期待感は低く、消費増税の増収分の使い道変更についても、効果の見極めには時間がかかる」とみている。
NHKは23日午前8時15分現在の獲得議席について、自民党が283議席、希望の党が49議席、公明党が29議席、共産党が12議席、立憲民主党が54議席、日本維新の会が10議席、社民党が1議席、無所属が23議席と伝えている。
残る4議席は、台風21号の影響で一部の開票を延期した佐賀2区、沖縄4区の小選挙区2議席と九州ブロックの比例2議席。
*情報を更新しました。
(田巻一彦 編集:田中志保)