インタビュー:財政懸念で円高継続の可能性少ない、日銀の姿勢も円安要因=渡辺元財務官
2022年11月21日撮影。REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Yoshifumi Takemoto Makiko Yamazaki
[東京 30日 ロイター] - 元財務官の渡辺博史・東京成徳大学客員教授は30日、ロイターのインタビューに応じ、最近の円高進行に関連し、一時的に1ドル140円台まで円高が進む可能性はあるものの、与野党が提唱する消費税減税など日本の財政悪化懸念から円高傾向が続く可能性は少ないとの見方を示した。利上げ方針が明確でないとし、日銀の姿勢も円安要因に挙げた。
1月下旬の急速な為替変動の背景に関し、日米当局がレートチェックや覆面介入などの対応を取った可能性については明言を避けた。渡辺氏は「ドル/円が160円を突破すると円安進行に弾みがつきやすくなるため、(当局が介入に踏み切る)思惑が出やすい」との見解を示した。
先行きのドル/円相場は「いったん140円台まで進む可能性はあるが、さらに円高が進行する展開にはならない」とも指摘。その背景として、日本の財政悪化懸念を挙げた。
足元の金融市場では、高市早苗首相(自民党総裁)が提唱した「2年間の食料品消費税廃止が織り込まれている」と分析。今後の懸念材料として、現時点では与党が有利とされる衆院選で、与党が想定より苦戦するとの調査結果が報道各社から報じられれば、「与党がさらに財政を緩める可能性がマーケットで意識される可能性がある」との見通しを示した。
日銀の利上げ方針が必ずしも明確ではない点も円安要因として挙げた。渡辺氏個人は、日銀が毎回の金融政策決定会合で政策金利を0.25%ずつ引き上げる方針を掲げた上で「いつでも利上げを止められると発信するのが望ましい」と主張する。一方、現在の日銀は「いつでも利上げできるが、トランプ政権や高市政権が発足するたびに忖度(そんたく)して利上げを見送っており、金融政策の方向性が見えない」と指摘した。
(竹本能文 編集:内田慎一)
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