カナダ中銀、次の一手「見通し困難」 不確実性高い=議事要旨
写真はカナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁。9月17日、オンタリオ州で撮影。REUTERS/Blair Gable/File Photo
David Ljunggren Fergal Smith
[オタワ 23日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)が23日に公表した12月10日の政策決定会合の議事要旨で、米国の通商政策の予測が困難になっていることのほか、経済指標が大きく変動していることを背景に、7人の政策委員が中銀の次の一手が利上げになるのか、利下げになるのかを見通すのは難しいとの認識で一致していたことが分かった。
カナダ中銀は10日の会合で政策金利である翌日物金利の誘導目標を2.25%に据え置くと決定。ただ、マックレム中銀総裁は不確実性は依然として高く、見通しが変われば中銀は対応する用意があるとの姿勢を改めて示した。
議事要旨によると、政策委員は次の政策金利の変更が利上げと利下げのどちらに傾く可能性が高いか討議。現行の金利水準は現状に照らし合わせるとおおむね適切としながらも、不確実性が極めて高いことを踏まえると、次の変更がいつ、どちらの方向で行われるかを予測するのは困難との認識で一致した。
また、2026年に予定される米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しを巡る不透明感で企業の設備投資が抑制される可能性があるとし、協定の見直しが「重大なリスク」になる可能性を指摘。「大きな衝撃が発生した場合や、経済活動とインフレの推移が予想と大きく異なる証拠が多く示された場合は、対応する用意がある」とした。
四半期ベースの国内総生産(GDP)統計の振れが大きかったことについては「経済の基調的なトレンドを見極めることの難しさが示された」とした。
金融市場では、カナダ中銀の次の一手は0.25%ポイントの利上げで、26年10月に実施される公算が大きいとの見方が出ている。





