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インタビュー:経営幹部を多国籍に、「唯一の例外で終わらない」=みずほFG副社長

2025年11月20日(木)07時08分

みずほフィナンシャルグループのスニール・バクシー副社長。11月12日、都内で撮影。REUTERS/Miho Uranaka

Miho Uranaka Anton Bridge

[東京 20日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループのスニール・バクシー副社長はロイターとのインタビューで、「自分が唯一の例外で終わるつもりはない」と述べ、経営幹部として多様な国籍の人材の登用を進めていく考えを示した。米州や欧州など地域ごとに分かれている組織間の人材流動性を高め、商品やサービス主導の体制に変えていく必要性を強調した。

バクシー氏は4月、外国人として初めて副社長に就任。みずほFGとしては外国人が執行役員に就くのも初で、「日本の銀行から、グローバルな組織への転換」という木原正裕社長の方針の下、顧客との関係強化や地域横断の連携促進、海外人材の発掘に取り組んでいる。

バクシー氏は「東京をグローバル組織の中で別のサイロとして扱うべきだとは思わない」と説明する。外国籍の経営幹部の増加について「母国以外で働き成功しているロールモデルを持つ必要があり、今後起こると強く確信している」と語った。文化的な変化には時間がかかるとも指摘し、「段階的に、さまざまな国籍の人々が、適切な役職で、東京を含む各国で働くようにする」と話した。

みずほFGは主に日本人社員に限られていた海外への転勤や異動の機会を広げていく考えで、バクシー氏は異動には人事制度の裏付けが不可欠だと指摘。長期的視点で慎重に設計する必要があるとし、今四半期中に制度の詳細を詰める方針を明らかにした。

背景にあるのは、グループが推進する事業体制の変革だ。顧客ニーズを起点としながら、従来の地域別の組織運営から脱却し、商品やソリューションを世界的に提供する形を目指している。  

みずほFGは2023年、米M&A(合併・買収)助言会社のグリーンヒルを買収。25年7月には英オーガスタの買収を発表するなど事業の世界展開を進めている。

国際金融の現場で40年以上のキャリアを積んできたバクシー氏はインド出身で、シティグループ時代には日本や中東(バーレーン)で勤務した。英ロンドンでは最高経営責任者(CEO)としてみずほインターナショナルを率いた。米中関係の緊張が続き、インドや中東の存在感が高まる中、こうしたバックグラウンドはみずほのグローバル戦略にとって重要な要素となっている。    

※インタビューは12日に実施しました。

(浦中美穂、Anton Bridge 編集:久保信博)

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