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世界のPE、中国市場への回帰を検討=投資ファンド幹部

2025年11月06日(木)08時30分

EQTのロゴ。5月13日、都内で撮影。REUTERS/Miho Uranaka

Kane Wu Selena Li

[香港 5日 ロイター] - 投資ファンド幹部らは5日、世界のプライベートエクイティ(PE)が米国市場への投資配分を減らし、代わりに中国市場への回帰を検討していると明らかにした。PEは過去数年間に中国市場を傍観してきたが、評価額が割安なのに後押しされて戻ろうとしている。

香港で開催された「グローバル金融リーダー投資サミット」で、EQTアジアのジャン・サラタ会長は「投資家、特に米国以外の投資家はドル建て資産への配分が過剰だと感じている」とした上で、分散投資と投資のリバランスによる「大きな受益者」の1つがアジア、特に香港と中国になるとの見通しを示した。

中国は過去数年間の経済の逆風や地政学的リスク、規制強化が評価額を押し下げ、PEの投資回収を制限してきた。しかし、PAGの共同創業者のクリス・グラデル最高経営責任者(CEO)は「私たちは中国を好んでいる。実際、評価額は安い。債務コストも安い。競争はほぼ皆無で、優れた企業も存在する」と指摘した。

ウォーバーグ・ピンカスのジェフリー・パールマンCEOは「多くの同業他社は中国から、そしてアジア全体から撤退したようなものだが、それでも(中略)今後も魅力的な投資機会であり続けるだろう」と言及。「過去数年間の問題は、評価額がリセットされていなかったことだ」とし、「相対的にリセットされた今、かなり魅力的になっている」との見方を示した。

ディールロジックのデータによると、PEの支援を受けた中国企業への合併・買収(M&A)は2025年に入ってから累計250億ドルとなり、既に24年通年の取引額を上回った。25年通年では21年以来、4年ぶりの高水準となる見込みだ。

ロイター
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