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午後3時のドルは153円付近に上昇、日銀会合で円安進行 米中会談は織り込み済み

2025年10月30日(木)15時32分

 10月30日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の153円近辺で推移している。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の153円近辺で推移している。日銀による金融政策の現状維持決定で、153円台に急伸した。一部残っていた利上げ期待が剥落したほか、利上げ提案増加の思惑を否定する内容となったため、円売りが進んだとの見方が聞かれた。注目された米中首脳会談は、想定以上の内容とはならなかったとの声がある。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果などを受けて前日海外時間に1円超急伸したドルは午前中、徐々に水準を切り下げる展開となり、日銀の金融政策決定の発表直前には一時152円前半まで売られた。現状維持の決定内容が伝わると一転円売りが進み、ドルは一時153.12円まで上値を伸ばした。

円は対ドル以外でも売り優勢となり、ユーロは176円後半から177円後半へ、豪ドルも100円前半から後半へ買われた。

韓国で30日に行われた米中首脳会談について、トランプ米大統領は中国が米国産大豆の購入を再開し、レアアース(希土類)の輸出を継続するほか、合成麻薬フェンタニルの違法取引を取り締まることを条件に対中関税を10%引き下げて47%にすることで合意したと明らかにした。会談前に既に明らかになっていた合意内容も多く、「ほぼ織り込み済みで、それ以上の内容は出てこなかった」(みなと銀行資金証券部ストラテジストの苅谷将吾氏)との声が聞かれた。

日銀は29―30日に開いた会合で、金融政策の現状維持を決めた。9月会合に続き、高田創審議委員、田村直樹審議委員の2人が現状維持に反対し、0.75%への利上げを提案した。

日銀の決定について、市場では「現状維持予想が優勢だったものの、かすかに残っていた利上げ期待の剥落が円売りにつながった」(国内証券のストラテジスト)との声が聞かれた。会合前は利上げを提案する委員が前回会合より増えるとの思惑もくすぶっていたが、提案したのは前回と同様の2人だったため円売り材料になった可能性があるという。

ドル153円台は引き続き上値が重い。12月か1月には日銀が利上げを、米連邦準備理事会(FRB)は12月に利下げを実施する可能性が「十分にある。金融政策の根本的な違いが後々に効いてくるかもしれない」(上田東短フォレックスの阪井勇蔵・営業企画室室長)として、日米の金融政策の違いが意識されているとの見方が聞かれた。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 153.03/153.04 1.1623/1.1625 177.90/177.91

午前9時現在 152.71/152.75 1.1602/1.1604 177.21/177.22

NY午後5時 152.72/152.74 1.1601/1.1602 177.17/177.20

ロイター
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