米テスラ、自動運転車の重大リスク隠したと株主が集団訴訟

米電気自動車(EV)メーカー、テスラがロボタクシー(自動運転タクシー)を含めた自動運転車が抱える危険性に関して重大なリスクを隠していたのは証券詐欺に当たるとして同社株主らが4日夜、テスラとイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)らに損害賠償を求めて米南部オースティンの連邦地方裁判所に集団訴訟を起こした。写真は2022年3月、ドイツのグリューンハイデで撮影(2025年 代表撮影)
Jonathan Stempel
[5日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー、テスラがロボタクシー(自動運転タクシー)を含めた自動運転車が抱える危険性に関して重大なリスクを隠していたのは証券詐欺に当たるとして同社株主らが4日夜、テスラとイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)らに損害賠償を求めて米南部オースティンの連邦地方裁判所に集団訴訟を起こした。
原告側は、テスラが6月下旬に米南部テキサス州オースティンで実施したロボタクシーの初の公開試験で急加速や急ブレーキ、縁石の乗り越え、間違った車線への進入、多車線道路の真ん中で乗客を降ろすなどの問題が起きたと指摘。テスラとマスク氏らが自動運転技術の有効性と予想について繰り返し誇張することで、テスラの財務見通しと株価を不当につり上げたとし、2023年4月19日から25年6月22日までの間にテスラ株を保有していた株主らに損害賠償をするように要求している。
誇張した発言の例として、マスク氏が今年4月22日の決算説明会でテスラが「6月にオースティンにロボタクシーを導入することに最優先に取り組んでいる」と断言したことや、同社が自動運転技術を「多様な地域と利用法で大規模かつ安全に展開」を実現すると訴えたことを引用した。
訴訟の被告には、テスラのビアバブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)とザッカリー・カークホーン前CFOも含まれている。
テスラに対して5日にコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
公開試験後にテスラの株価は6.1%下落し、約680億ドル分の時価総額が失われた。