欧州の小売業者、EUに米カード2社の手数料引き下げ指導を要請

5月14日、欧州の小売業大手企業とオンライン通販大手企業が欧州連合(EU)欧州委員会に対し、米国のクレジットカード大手、ビザ とマスターカードの2社の高額とされる手数料を引き下げさせるように要請する書簡を送った。写真はビザとマスターのカード。2016年6月撮影(2025年 ロイター/Maxim Zmeyev)
[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州の小売業大手企業とオンライン通販大手企業が欧州連合(EU)欧州委員会に対し、米国のクレジットカード大手、ビザ とマスターカードの2社の高額とされる手数料を引き下げさせるように要請する書簡を送った。
ビザとマスターカードはユーロ圏でのクレジットカード決済の約3分の2を占めている。
テレサ・リベラ欧州委上級副委員長(競争政策担当)、ドムブロフスキス上級副委員長(通商政策担当)、マリアルイス・アルブケルケ欧州委員(金融サービス担当)に宛てた13日付の書簡は、「(ビザやマスターカードの)国際カードスキーム(ICS)は競争上の課題や規制当局の監視を受けることなく、手数料を引き上げることができた。ICSの手数料やルールのシステムはあまりにも複雑かつ不透明であるため、取引業者は自分が何に、なぜ支払っているのかを理解することはおろか、異議を唱えることもできない」と訴えた。
また、ブラトル・グループが2024年に発表した報告書を引用し、18年から22年までの間にICSの手数料がインフレ率に上乗せして33.9%(年平均で7.6%)上昇したと指摘。それにもかかわらず、EU加盟国にある加盟店や消費者に対するサービスの改善策はなかったと問題視している。
これに対し、ビザは手数料は欧州の金融機関、加盟店、消費者に対するサービスの価値を反映していると主張。広報担当者は「これには極めて高水準のセキュリティーと不正防止、完璧に近い運用の強靱さと信頼性、消費者と加盟店のニーズに応える幅広い消費者保護、高品質で革新的な商品とサービスが含まれている」とコメントした。
マスターカードはコメントの要請に応じなかった。