英アーム4─6月期見通しは弱気、通期予想示さず 株価11%安

ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが5月7日発表した第1・四半期(4-6月)の売上高・利益見通しは市場予想に比べて弱気な内容だった。写真は半導体のレプリカを示すレネ・ハース最高経営責任者(CEO)。3月5日、クアラルンプールで撮影(2025年 ロイター/Hasnoor Hussain)
Arsheeya Bajwa Stephen Nellis
[7日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが7日発表した第1・四半期(4─6月)の売上高・利益見通しは市場予想に比べて弱気な内容だった。また、世界的な貿易や経済を巡る不確実性を理由に通期の業績予想を示さず、株価は11%急落した。
ジェイソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)はアナリスト会見で「国際貿易や経済を巡る状況が不透明なため、例年より年度初めの視界が低下している。そのため、通期のガイダンス示すのは賢明でないと考える」と述べた。
レネ・ハース最高経営責任者(CEO)は、スマートフォンやノートパソコンなどの販売と連動する形のロイヤルティー収入への依存度が高まっており、先行きを予測するのが困難になっているとした。
第1・四半期の売上高見通しは10億─11億ドルで、中心値はアナリスト予想平均の11億ドルを下回った。調整後1株利益の見通しは、アナリスト予想平均の0.42ドルより低い0.30─0.38ドルとした。
ハース氏はロイターに対し、弱気見通しの理由として、第1・四半期中に大型のライセンス契約がまとまらない可能性がある点を挙げた。第1・四半期のロイヤルティー収入の伸びは前期を上回る25─30%になると見込んだ。
関税は今のところアームのビジネスにほとんど影響していないという。その上で「当社の出荷のうち米国向けは10─15%のため、影響は大きくない」と述べた。
第4・四半期(1─3月)売上高は12億4000万ドル、調整後1株利益は0.55ドルで、いずれもアナリスト予想を超えた。