HSBC、第1四半期は25%減益 関税巡る経済リスク警告
英金融大手HSBCが29日発表した第1・四半期決算は、25%の減益となった。トランプ米政権の関税政策を受け、融資需要や信用の質に影響が出る可能性があると警告した。写真はロンドンで2017年7月撮影(2025年 ロイター/Kevin Coombs)
Selena Li Lawrence White
[香港 29日 ロイター] - 英金融大手HSBCが29日発表した第1・四半期決算は、25%の減益となった。トランプ米政権の関税政策を受け、融資需要や信用の質に影響が出る可能性があると警告した。30億ドルの自社株買いも発表した。
第1・四半期の税引き前利益は95億ドルで、前年同期の127億ドルから減少。主にカナダとアルゼンチンでの事業売却に関連した一時的な費用が影響した。アナリスト予想は78億ドルだった。
HSBCは「マクロ経済環境は特に保護主義的な貿易政策による不確実性の高まりに直面し、経済予測と金融市場の双方に変動をもたらし、消費者と企業のセンチメントに悪影響を及ぼしている」と指摘した。
予想信用損失は9億ドルで、うち1億5000万ドルは経済の不確実性の高まりを反映した。関税引き上げが世界経済減速につながるシナリオではさらに5億ドルを計上する可能性があるとした。
2025─27年の各年に有形株主資本利益率(ROTE)を10%台半ばとする目標は据え置いた。24年は14.6%だった。
中国の交通銀行による増資の影響で同行への出資比率は19.03%から約16%に低下し、最大16億ドルの損失を計上するとの見通しも示した。
また、25年の経費の伸びを前年比3%に抑える計画で、26年末までに年間15億ドルの経費を削減する方針を示した。
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