ニュース速報
ビジネス

午前のドルは141円後半へ下落、懸念後退でも不透明感 日米財務相会談控え

2025年04月23日(水)12時44分

 午前のドルは朝方の143円前半から141円後半へ1円以上下落した。2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)

Atsuko Aoyama

[東京 23日 ロイター] - 午前のドルは朝方の143円前半から141円後半へ1円以上下落した。米中貿易摩擦の懸念後退や米連邦準備理事会(FRB)議長解任を巡るトランプ米大統領の発言撤回を受けてドルは前日の安値から3円超急伸したが、日経平均の伸び悩みなどリスク心理改善には遠く、日米財務相会談を巡る思惑も重しとなって再び下げが強まった。仲値では輸出勢が売りを出した可能性を指摘する声もあった。

トランプ氏の発言などを受けて、ドルは前日日中に付けた7カ月ぶり安値の139.88円から3円以上切り返し、朝方の取引で143.21円まで買われた。その後、仲値公示を挟んで下げが加速、一時141.67円まで売られた。

トランプ氏の発言などでいったんは買い戻しが入ったものの、不透明感は依然残っており「投機筋が下を攻めているため、下方向の材料が出れば一気に水準が変わる」(国内銀の為替ディーラー)との見方がある。「企業や投資家が見方を変えているとみられる」(同)として、輸出勢が売りを出している可能性を指摘する声があった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏は、投機筋の円買いが膨れ上がっており、米中貿易摩擦の懸念後退などで「いったん巻き戻された」ものの、日米財務相会談を控えていることもあり「巻き戻しが一気に加速することにはならない」との見方を示す。

植野氏は、今週の実施が見込まれる日米財務相会談について、ベッセント財務長官が「ドル/円相場で特定の方向感やレベルを目指すような合意を求めてくるとは思えない」と話し、従来の主要7カ国(G7)合意を踏襲する内容になると予想した。

トランプ大統領は前日、中国との貿易交渉には非常に好意的に臨むとし、関税率も145%にはならないだろうと発言。パウエル議長を解任する意向がないことも明らかにしていた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中