ニュース速報
ビジネス

英CPI、3月は前年比+2.6%に鈍化 今後インフレ加速か

2025年04月16日(水)17時49分

 4月16日、英国立統計局(ONS)が発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.6%と、3カ月ぶりの低水準だった。写真は2024年3月、ロンドンの食料品店で撮影(2025年 ロイター/Isabel Infantes)

Suban Abdulla

[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が16日発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.6%と、3カ月ぶりの低水準だった。

2月の2.8%から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想の2.7%を下回った。    

コンピューターゲームと燃料の価格が下落したほか、食品価格が横ばいだった。ただ、2月に予想外に下落した衣料品は大幅に値上がりした。

ただ、4月以降は公共料金の値上げや雇用主に対する増税でインフレが加速するとの見方が出ている。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の元委員、マイケル・ソーンダース氏はBBCラジオに「嵐の前の静けさだ」と発言。4月のガス、電気、水道料金の値上げと雇用主への増税でインフレ率が3%に上昇する可能性があると指摘した。トランプ米大統領の貿易戦争の影響も出始めるとの見方も示した。

英産業連盟(CBI)の主席エコノミスト、マーティン・サルトリウス氏は、トランプ氏の関税引き上げについて、英国の物価に上昇圧力と下落圧力の双方がかかる可能性があるが、英中銀は来月、利下げを実施する可能性が高いと指摘。

「経済環境は不透明で、引き続き緩やかかつ慎重に利下げを実施するだろう」と述べた。

統計発表後、ポンドは対ドルで約0.2セント下落した。金融市場は次回5月8日のMPCで25ベーシスポイント(bp)の利下げが決まる確率を約86%と予想。統計発表前は約80%だった。

サービス価格の上昇率は4.7%で、2月の5.0%から鈍化。ロイターがまとめた市場予想は4.8%だった。

エネルギー、食品、たばこを除くコアCPI上昇率もやや鈍化した。

CPI上昇率は2022年の11%超の水準から鈍化しているものの、引き続き消費者の懸念要因となっている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、10日に有志連合首脳会議を主催 仏

ワールド

中国商務相、ロシア経済発展相と会談 経済・貿易を巡

ワールド

ブラジル大統領、トランプ関税を非難 プーチン氏との

ワールド

米中、一時的関税停止の可能性 週末の高官協議=スイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中