ニュース速報
ビジネス

英小売売上高、2月は前月比+1.0 非食品好調で予想外の増加

2025年03月28日(金)21時18分

 英国立統計局(ONS)が28日発表した2月の小売売上高(数量ベース)は前月比1.0%増と、市場予想に反して増加した。写真は、オックスフォード通りで買い物をする人々。2023年4月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Anna Gordon)

[ロンドン 28日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が28日発表した2月の小売売上高(数量ベース)は前月比1.0%増と、市場予想に反して増加した。スーパーマーケットの売り上げは1月の急増の反動で減少したものの、食品以外の売り上げが好調だった。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.4%減だった。

ONSは1月の売上高を当初の1.7%増から1.4%増に下方修正した。

ONS高官は「2月はホームセンターが好調で、家庭用品店の売上高が2021年4月以来の大幅な伸びとなった」と述べた。また、幅広いセールによって衣料品の売り上げも伸びたと説明した。

ONSによると、昨年第4・四半期の家計貯蓄率は12.0%と、第3・四半期の10.3%から上昇した。新型コロナウイルス流行時を除けば、15年ぶりの高水準となった。

一部のエコノミストは、高水準の貯蓄が消費に回れば、低迷している経済成長が今後回復する可能性があると予想している。

昨年12月から2月までの3カ月間の小売売上高は0.3%増と、昨年9─11月以来の増加となった。

2月の小売売上高は前年同月比で2.2%増と、エコノミスト予想の中央値である0.5%増を上回った。

ONSによると、小売売上高は依然として新型コロナ流行前の水準を下回っている。

デロイトの小売り部門責任者オリバー・バーノンハーコート氏は「食品価格の伸びが依然として大きいため、消費者の購買能力が低下している。小売業者は来週の賃金コスト上昇を見据えて慎重になるだろう」と述べた。

ONSが別に発表した24年第4四半期の国内総生産(GDP)伸び率確報値は0.1%だった。年前半の上方修正を受けて通年の成長率は0.9%から1.1%に上方修正した。1人当たりのGDPは横ばいだった。

第4四半期のインフレ調整後の家計可処分所得は、賃金の急上昇を反映し前年比4.3%増と9年ぶりの大幅な増加となった。

RSMのエコノミスト、トーマス・ピュー氏は小売売上高について、家計支出の広範な指標で今年初めの回復を示す兆候の可能性を指摘。「しかし消費者は明らかにまだ不安を抱えており信頼感が大幅に向上しない限り、消費支出につながる可能性は低い」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アリババや百度やBYDは中国軍関連企業、米国防総省

ビジネス

中国、米大豆を少なくとも10カーゴ購入 首脳会談後

ワールド

マクロン仏大統領が来週訪中へ、習主席と会談

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、州兵2人重体 容疑者は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中