ニュース速報
ビジネス

投資銀行、来年は収入増加か トランプ氏返り咲きでM&A活発化

2024年12月06日(金)16時39分

 12月6日、調査会社コーリション・グリニッチによると、来年の世界の投資銀行の収入は、トランプ前米大統領の返り咲きを受けて合併・買収(M&A)や証券発行が活発化し、前年比5.7%増の3160億ドルに達する可能性がある。写真は2023年11月、独フランクフルトの金融街付近で撮影(2024年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

Sinead Cruise Lawrence White

[ロンドン 6日 ロイター] - 調査会社コーリション・グリニッチによると、来年の世界の投資銀行の収入は、トランプ前米大統領の返り咲きを受けて合併・買収(M&A)や証券発行が活発化し、前年比5.7%増の3160億ドルに達する可能性がある。

世界の投資銀行の収入が3000億ドルを超えたのは過去20年で5回のみ。近年は新型コロナウイルス流行、インフレ、世界的な政治不安が圧迫要因となっていた。

コーリション・グリニッチによると、来年のM&A手数料収入は約276億ドルと、少なくとも過去20年で2番目の高水準になる見通し。

金融関係者は、企業寄りのトランプ氏の返り咲きで米経済がさらに繁栄し、事業拡大を目指す欧州企業による国境を越えたM&Aや投資が増えるのではないかと指摘している。

バンク・オブ・アメリカのEMEA法人金融部門責任者、リチャード・キング氏は「政治の透明性とマクロの安定がM&Aの原動力になる。来年は多くの累積需要が顕在化するだろう」とし、ヘルスケア、ハイテク、エネルギーなどさまざなセクターでプライベートエクイティ(PE)や事業会社によるM&Aが期待できるとの見方を示した。

企業や政府の起債も急増する見通しで、コーリション・グリニッチによると、来年の債券資本市場(DCM)部門の手数料収入は過去最高の490億ドルに達する可能性がある。  

投資銀行の最大の収入源である証券トレーディングの収入は来年2200億ドルと、2022年以来の高水準になると予想されている。

バークレイズのグローバルバンキング担当共同責任者、テイラー・ライト氏は「地政学的リスクが不確定要素だが、それを除けば、多くの要素から見て今後1─2年は投資銀行にとって非常に良い年になるはずだ」と述べた。    

収入拡大に伴い、バンカーの給与も増加するとみられるが、巨額の賞与が支払われた21年の水準には当面、届かないとみられている。

コンサルティング会社ジョンソン・アソシエーツは先月、不動産投資を除くほぼ全ての部門でバンカーの給与が増えるとの見通しを示した。

例年、第1・四半期は銀行が人員削減を検討することが多いが、ヘッドハンティング会社によると、トランプ氏の返り咲きを受けて、一部の銀行は来年第1・四半期の増員を検討している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米1月ISM非製造業指数、53.8と横ばい 投入コ

ワールド

米イラン、核協議の議題や開催地巡り溝 実現に不透明

ワールド

再送米政権、ミネソタ州派遣の移民職員700人削減へ

ワールド

米財務長官、強いドル政策支持再表明 FRBは国民の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中