ニュース速報
ビジネス

訂正-アングル:米上場の中国株ETFに資金流入、「潮目変わる」との声

2024年10月09日(水)13時28分

10月8日、 米国で上場している中国株ETF(上場投資信託)に大量の新規資金が流入しており、資産運用会社の一部は、市場の潮目が変わりつつあり、中国株に対する強気な姿勢が今後も続くと期待を寄せている。ニューヨーク証券取引所で9月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)

(訂正箇所を第4段落の資産運用会社グレンミード・トラストの拠点に修正します)

Suzanne McGee

[8日 ロイター] - 米国で上場している中国株ETF(上場投資信託)に大量の新規資金が流入しており、資産運用会社の一部は、市場の潮目が変わりつつあり、中国株に対する強気な姿勢が今後も続くと期待を寄せている。

モーニングスターのデータによると、米国の中国株ETFに今月4日までの1週間で52億ドルの新規資金が流入した。今年の週間平均は8300万ドルの流出、昨年の週間平均は2700万ドルの流出だった。

一連の景気刺激策の発表を受けて中国株式市場は、先月30日に2008年以来の大幅な上昇を記録、その後1週間の国慶節の連休に入った。

フィラデルフィア(訂正)の富裕層向け資産運用会社グレンミード・トラストの投資戦略担当バイスプレジデント、マイケル・レイノルズ氏は「市場は経済を立て直すという中国政府の信頼できるコミットメントを待っている。計画の実行が必要だ」と述べた。

中国株ETFを運用するクレーンシェアーズの創業者、ジョナサン・クレーン最高経営責任者(CEO)は「中国市場は売られ過ぎだ」と発言。モーニングスターによると、同社の旗艦ETF「クレーンシェアーズCSIチャイナ・インターネット」は先週だけで13億9000万ドルの新規資金が流入し、年初来で流入超となった。

データ分析会社トラックインサイトによると、先週はクレーンシェアーズETFなど20本以上の中国投資ファンドが週間で10-28%という2桁のリターンを記録した。

クレーン氏は中国株の高騰は始まったばかりだとし、2月に中国株が急落したため投資家のエクスポージャーは少なく、これから本格的に資金が流入すると予想する。

先週は大型株に幅広く投資する大規模なETFに資金が集中。モーニングスターによると、ブラックロックの「iシェアーズ・チャイナ大型株ETF」には先週27億ドルが流入した。

資産運用会社マシューズ・アジアのETF資本市場責任者マイケル・バラー氏は「これほど大きな激しい値動きがあると、まずこうした(指数連動型)商品に資金が流入する」と指摘。ただ、同社の「マシューズ・チャイナ・アクティブETF」も先週、1170万ドルの流入超となった。

資産運用会社レイリアント・グローバル・アドバイザーズの創業者、ジェイソン・シューCEOは、資金流入を維持するには、中国政府が詳細を定めたインパクトのある総合的な改革を発表する必要があると述べる。

ラウンドヒル・インベストメンツのデイブ・マッザCEOは、投資家心理の潮目が変わりつつあると発言。同社は先週、中国の革新的な大手ハイテク企業9社に投資する「ラウンドヒル・チャイナ・ドラゴンズETF」を立ち上げたが、最初の2営業日で3500万ドルが流入した。同氏は「近いうちに潮目が変わり中国が再び投資対象になる」との見方を示した。

*英文の訂正により、第4段落の資産運用会社グレンミード・トラストの拠点を「ニューヨーク」を「フィラデルフィア」に訂正します

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三菱自、30年度に日本販売1.5倍増へ 国内市場の

ワールド

石油需要、アジアで伸び続く=ロシア石油大手トップ

ワールド

イタリアが包括的AI規制法承認、違法行為の罰則や子

ワールド

ソフトバンクG、格上げしたムーディーズに「公表の即
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中