ニュース速報
ビジネス

ステランティスCEO、25年の減配に含み 確定は「時期尚早」

2024年10月04日(金)01時17分

欧米自動車大手ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は3日、25年の配当と自社株買いの計画を巡り「24年末の状況を見て議論し決定する」と述べ、削減する可能性に含みを残した。9月撮影(2024年 ロイター/Stephane Mahe)

[ミラノ/ソショー(フランス) 3日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は3日、25年の配当と自社株買いの計画を巡り「24年末の状況を見て議論し決定する」と述べ、削減する可能性に含みを残した。2024年の配当と自社株買い計画は維持した。

9月30日に公表した24年通期の業績見通しの下方修正につながった米事業の見直しに伴うコスト増については「小さな業務上のミス」と述べるにとどめた。

投資家は、米事業の回復にかかる費用増が、ステランティスの配当に影響するのではないかと懸念している。株価は大きく下落し、22年7月以来の低水準を付ける場面もあった。調整後の営業利益率予想を従来の「2桁」から5.5%─7.0%に引き下げたことも経営陣に対する不信につながっている。

フランス東部の工場を訪問したタバレス氏は、ステランティスは米国で業務上の困難を抱えているが、自身のCEO任期の26年よりも前に解決するとの見方を示した。一方、来年の配当の計画を確認するのは、時期尚早だとした。

ステランティスは傘下にクライスラー、ジープ、フィアット、シトロエン、プジョーの各ブランドを抱える。株価は3月以来55%以上下落し、欧州の自動車株の中で最も下落率が大きく、時価総額は470億ユーロ(520億ドル)減少した。

資産運用会社カルミニャックのケビン・トゼット氏は、ステランティスによる業績見通しの下方修正は、今年後半の営業利益率がゼロになることを意味していると指摘した。バークレイズは、ステランティスのフリーキャッシュフローの大幅な削減が、配当および自社株買い計画に疑問を生じさせていると指摘している。

電気自動車(EV)への移行の難しさや中国の新規参入企業との競争激化、価格を重視する購入者の増加などを懸念し、投資家にはこの数カ月、欧州の自動車株への投資を手控える動きが出ている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:FRBの新予測、中間選挙で政権後押しへ 

ワールド

自衛隊制服組トップ、レーダー照射で中国に反論 「対

ビジネス

インタビュー:26年も日本株の強気継続、日銀政策の

ワールド

アングル:米政権の120億ドル農家支援、「一時しの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中