ニュース速報
ビジネス

G7、ロシア凍結資産活用は首脳会議で判断 中国の過剰生産懸念

2024年05月26日(日)09時34分

 イタリア北部ストレーザで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は25日、制裁で凍結したロシア資産をウクライナに活用する案について、6月の首脳会談での判断材料の準備を進めることで一致して終了した。24日撮影(2024年 ロイター/Massimo Pinca)

Gavin Jones Giuseppe Fonte David Lawder

[ストレーザ 25日 ロイター] - イタリア北部ストレーザで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は25日、制裁で凍結したロシア資産をウクライナに活用する案について、6月の首脳会談での判断材料の準備を進めることで一致して終了した。具体策について言及はなかった。

ウクライナ侵攻を受けて凍結されているロシアの金融資産は約3000億ドル。

会議の終了後に発表された声明は「ロシアの凍結資産から生じる利益を巡る潜在的な手段についての議論を進めている」との表現にとどまった。

米国はウクライナに対する最大500億ドルの融資提供への支持をG7各国に働きかけてきた。ただ声明では詳細への言及はなく、融資実行の前に多くの法的・技術的な問題を解決する必要があることが示唆された。

この問題は6月中旬に南イタリアで開催されるG7首脳会議で協議される。

<中国批判>

会議では、中国の「過剰生産能力」による輸出拡大も主要議題として議論された。

声明で「中国の非市場的な政策や慣行の包括的利用について懸念を表明する。今後も過剰生産能力の潜在的な悪影響を監視し、世界貿易機関(WTO)の原則に沿って公平な競争条件を確保するための措置を講じることを検討する」と懸念を表明した。

米国は先週、中国からの電気自動車(EV)などの輸入に対する大幅な関税引き上げを発表した。

米政府はG7に同様の措置は求めていないが、イエレン米財務長官は今週、G7が中国の産業・貿易政策に反対の意志を表明することを望んでいると述べていた。

議長国イタリアのジョルジェッティ経済財務相はこの件について、見解が分かれていることを明らかにした。

<税制・為替>

多国籍企業に対するグローバルな最低税率については、来月末までに合意の第一弾の柱に署名することを目指すとした。ただジョルジェッティ経財相はこれについて、実現は困難との見通しを示した。

為替については、日本の要請に基づき、市場の過度な変動は経済の安定に悪影響を与えるとした過去の合意を再確認した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

東南アジア諸国、米高関税適用受け貿易交渉強化へ

ビジネス

カンタス航空、600万人情報流出でハッカーから接触

ワールド

豪首相、12日から訪中 中国はFTA見直しに言及

ビジネス

ドイツ輸出、5月は予想以上の減少 米国向けが2カ月
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 10
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中