ニュース速報
ビジネス

商業用不動産、ユーロ圏金融システムの弱点=ECB金融安定報告

2024年05月16日(木)18時14分

5月16日、 欧州中央銀行(ECB)は半期に1度の金融安定報告を公表し、商業用不動産がユーロ圏の金融システムの弱点となっており、銀行、保険会社、ファンドに損失が波及する恐れがあるとの見解を示した。フランクフルトのECB本部で2023年3月撮影(2024年 ロイター/Heiko Becker)

[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は16日、半期に1度の金融安定報告を公表し、商業用不動産がユーロ圏の金融システムの弱点となっており、銀行、保険会社、ファンドに損失が波及する恐れがあるとの見解を示した。

商業用不動産業界は、借り入れコスト上昇、新型コロナウイルス流行後のオフィス需要減少、建築資材の高騰という三重苦に見舞われている。

ECBは、商業用不動産業界の問題がデフォルト(債務不履行)率の上昇や投資損失リスクという形で金融システムに波及し始めていると指摘。商業用不動産価格は昨年末時点で前年比8.7%下落しており、さらに値下がり可能性があると述べた。

域内の大手不動産会社の約半数が赤字となっており、利益から利息を支払う能力が大幅に低下しているとの認識も示した。

銀行については、商業用不動産向け融資が融資全体に占める比率は低いものの、「一部の銀行」が特に米国で「商業用不動産ポートフォリオの大幅な悪化」に見舞われていると指摘。

不動産評価額の下落により、銀行が引当金の積み増しを迫られる可能性が高く「場合によっては資本の減少につながり得る」としている。

不動産投資ファンド(REIF)については、不動産価格の大幅な下落にもかかわらず純資産価値が安定しており、損失がまだ計上されていないこと示しているとし「こうした損失がREIFの解約請求につながれば、手元資金が圧迫される」と述べた。

また、保険会社もREIFへの投資で損失を被るリスクがあり、「金融システム内の商業用不動産エクスポージャーの相互関連性を継続的に監視する必要がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エネルギー高のインフレリスク、ウクライナ侵攻時より

ビジネス

OECD、26年の英成長率予想を大幅下方修正 イン

ビジネス

再送-独ポルシェSE、通期決算は9%減益 防衛分野

ビジネス

英国債市場、イラン攻撃後の市場混乱でも正常に機能=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 7
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中