ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは上昇153円後半、34年ぶりの高値圏

2024年04月15日(月)15時26分

 4月15日、午後3時のドルは、前週末のニューヨーク市場終盤(153.28/31円)から上昇し153円後半で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年2月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Mariko Sakaguchi

[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドルは、前週末のニューヨーク市場終盤(153.28/31円)から上昇し153円後半で推移している。この日のドルは実需の買いをきっかけにストップを巻き込んで上昇し、午後3時過ぎには153円87銭と34年ぶりの高値をつけた。

東京時間は153円前半で取引を開始。五・十日に伴い仲値にかけて実需の買いが通常よりも入ったとみられ、ドルは上昇。仲値公示後も「ドルを買いそびれていた市場参加者による買いが入り、最後はストップを巻き込んだ」(国内銀の為替セールス担当)という。ドルはじりじりと上昇し、153円後半と34年ぶりの高値圏での推移が続いた。

ドルは153.40円付近にストップがあったとみられ、「同水準を超えたために、買いが買いを呼んでいる状況だ」と、オーストラリア・ニュージーランド銀行の外国為替・コモディティ営業部ディレクター、町田広之氏は指摘。足元のドル/円の水準について、町田氏は「割高な状況。ファンダメンタルズから乖離しているため、政府・日銀による為替介入がいつ実施されてもおかしくない」とみる。

リスクオフで日経平均株価が大幅下落となる中でも、ユーロや豪ドルなどクロス円が強含んだことも、ドル/円の上昇圧力につながった。機関投資家を中心に対円で外貨買いフローが全般的に出たとみられる。時間外取引の米長期金利が一時4.56%付近まで上昇したことも、ドルの支援材料となった。

中東情勢の緊迫化を背景とした原油高で輸入インフレにつながりやすいという連想が働きやすく、足元では円高の動きは限られている。

SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「輸入インフレが収まらなければ、賃金が物価高に追いつかず、日銀はなかなか利上げに踏み切れないのではないか」とし、ドル高/円安基調は転換しにくいとの見方を示す。

一方で、足元では投機筋による円売りポジションが一段と積み上がっている。米商品先物取引委員会(CFTC)が13日発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(9日時点)に基づくロイターの集計によると、円の売り持ち(円ショート)は16万2151枚と2007年以来の高水準で、前週の14万3230枚から増加した。

中東情勢の緊迫化で一段とリスクオフの流れが強まれば、「ポジションクローズという動きとなり、円高が進む可能性もある」(あおぞら銀行のチーフ・マーケット・ストラテジスト、諸我晃氏)との声もでている。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 153.81/153.84 1.0656/1.0660 163.93/163.97

午前9時現在 153.30/153.33 1.0644/1.0648 163.21/163.22

NY午後5時 153.28/153.31 1.0642/1.0646 163.08/163.12

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、次期5カ年計画で銅・アルミナの生産能力抑制へ

ワールド

ミャンマー、総選挙第3段階は来年1月25日 国営メ

ビジネス

中国、ハードテクノロジー投資のVCファンド設立=国

ワールド

金・銀が最高値、地政学リスクや米利下げ観測で プラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 10
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中