米11月ISM製造業景気指数、13カ月連続で50割れ

米供給管理協会(ISM)が1日発表した11月の製造業景気指数は46.7と10月から変わらずとなった。2011年7月撮影(2023年 ロイター/Aaron Josefczyk)
[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日発表した11月の製造業景気指数は46.7と10月から変わらずとなった。拡大・縮小の分岐点となる50を下回るのは13カ月連続で、2000年8月─02年1月以来の最長を記録。ロイターがまとめた市場予想は47.6だった。
ISMによると、一般的にPMIが48.7を下回ると経済全体の縮小を示す。ただ、米商務省が11月29日に発表した23年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比5.2%増と、速報値の4.9%増から上方改定された。
先行指標となる新規受注指数は48.3と10月の45.5から上昇した。
価格指数は10月の45.1から49.9に上昇し、7カ月ぶりの高水準となった。
供給業者の納入を示す指数は前月の47.7から46.2に低下。50を下回ると工場への納品が速くなることを示す。
雇用指数は10月の46.8から45.8に低下した。
拡大したのは、食品・飲料・タバコ、輸送用機器、非金属鉱産物の3業種。縮小したのは紙製品、電気機器、家電・部品、コンピューター・電子製品、機械などの14業種。
FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は「製造業部門で需要が過大評価されていたことが示され、生産は向こう数カ月でさらに減速する可能性がある」と指摘。ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「新規受注と顧客の在庫水準からは、活動の当面の好転は示されていない」としながらも、「景気後退時にみられる製造業の低迷を示すものでもない」と述べた。