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物価のメインシナリオ、6月分までの指標では判断困難=安達日銀委員
6月21日、日銀の安達誠司審議委員は鹿児島県金融経済懇談会後の記者会見で、物価見通しに関して、6月分までの消費者物価指数(CPI)では日銀のメインシナリオを上振れていくか「確証を持って判断しがたい」と述べた。写真は都内で2016年2月撮影(2023年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 21日 ロイター] - 日銀の安達誠司審議委員は21日、鹿児島県金融経済懇談会後の記者会見で、物価見通しに関して、6月分までの消費者物価指数(CPI)では日銀のメインシナリオを上振れていくか「確証を持って判断しがたい」と述べた。日銀は7月27日からの決定会合で新たな展望リポートを議論するが、会合時点で判明している全国CPIは6月分までで、物価見通し引き上げに伴う政策修正は難しいとの見方を示した。
4月の全国コアCPIは前年同月比3.4%上昇と2%目標を大きく上回る状況が続いているが、日銀は価格転嫁の影響が後退する中で今年度半ばにかけてプラス幅を縮小していくと予想している。
安達委員は、輸入物価下落が財の価格に波及するには9カ月程度かかると指摘。輸入物価の下落は「今年7月以降のデータに反映されてくる可能性が高い」と指摘した。夏場以降の財価格が重要で「もし下がらないようなことがあると、日銀のメインシナリオを修正しなければならない可能性が出てくる」と述べた。
(和田崇彦)