ニュース速報

ビジネス

EUが「永遠に残る化学物質」禁止案、業界に代替物確保求める

2023年02月07日(火)20時14分

欧州連合(EU)は7日、「永遠に残る化学物質(フォーエバーケミカル)」と呼ばれるPFAS(フッ素化合物)の使用を禁止する草案の検討を開始した。ブリュッセルのEU本部で1日撮影。(2023年 ロイター/Yves Herman/File Photo)

[7日 ロイター] - 欧州連合(EU)は7日、「永遠に残る化学物質(フォーエバーケミカル)」と呼ばれるPFAS(フッ素化合物)の使用を禁止する草案の検討を開始した。化学業界への広範な規制になる可能性がある。

PFASは、極端な温度や腐食に長期間耐えられることから、航空機、自動車、繊維製品、医療機器、風力発電機など、さまざまな製品に使用されているが、がん、ホルモン機能障害、免疫システムの低下などの健康被害や、環境破壊をもたらすと指摘されている。

草案策定に携わったドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、非EU加盟国ノルウェーの5カ国は共同声明で、承認されれば「欧州最大級の化学物質規制」になるとし「PFASを禁止すれば、長期的に環境中のPFASの量を減らし、製品やプロセスの安全性を高められる」と述べた。

草案によると、企業に代替物質の確保を命じる。使用目的や入手可能性に応じて18カ月から12年の移行期間を与える。

規制の施行には数年要する見込み。

欧州化学品庁(ECHA)の2つの科学委員会が、規制案がEUの化学物質規制に適合しているか審査し、その後、科学的評価や業界との協議を行う予定。ECHAは、2委員会は通常12カ月で結論を出すが、それより長引く可能性があると指摘している。

PFASを製造ないし使用する企業は、ドイツのBASF、バイエル、メルク、米3Mなどがある。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコの利下げ予想縮小、物価見通しは上方修正=JP

ワールド

米金融大手、アルゼンチン200億ドル支援で担保求め

ワールド

高市首相を衆院選出、初の女性宰相 維新との連立政権

ビジネス

米地銀決算に警戒視線集まる、信用リスク巡る不安から
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中