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中国EV大手BYD、日本へ乗用車第一弾 価格は440万円

2022年12月05日(月)16時30分

 2023年に日本の乗用車市場参入を計画する中国の電気自動車(EV)大手BYDは5日、第一弾となる小型スポーツ多目的車(SUV)を1月31日に440万円(消費税込)で売り出すと発表した。写真はインド・ニューデリーで10月撮影(2022年 ロイター/Adnan Abidi)

[東京 5日 ロイター] - 2023年に日本の乗用車市場参入を計画する電気自動車(EV)販売大手の中国BYDは5日、第一弾となる小型スポーツ多目的車(SUV)のEVを来年1月31日に440万円(消費税込)で売り出すと発表した。すでにEVバスで日本市場を開拓しており、乗用車でも日本勢の牙城を崩す狙い。

発売するのは世界戦略車「ATTO3(アットスリー)」。中国製を輸入し、納車は3月ごろを予定。売り切りのほか、4年コースで定額制リースも併用する。頭金・ボーナス払いなしで月4万0400円(税抜)に設定した。来年半ばに小型車「ドルフィン」、来年下期にセダン「シール」を発売し、計3車種を来年投入する。

顧客対応や充電、アフターサービスを手がける販売店を25年末までに全国100店舗超展開する計画を表明済み。まずは22店舗を順次開設し、その後に約80店舗をオープンさせる。

販売会社BYDオートジャパン(横浜市)社長の東福寺厚樹氏は会見で、ガソリン車からEVへ乗り換える際の「選択肢の1つにしてほしい」と話し、販売計画の開示は控えたが、リースの割合は販売計画のうち「30─40%を取っていきたい」と述べた。

東福寺氏は会見後のロイターとのインタビューで、「サブスク(定額制)に慣れている若い世代に受け入れられやすい」とリース併用の狙いを説明、440万円も「手が届きやすい価格」とした。日本の顧客が納得できるよう「製造・販売の質を担保した」とも語り、ブランド認知向上のためにも「実際に試乗してもらうのが一番」としてオンライン販売はしない方針を示した。

日産自動車のEV「リーフ」の標準仕様は約370万円から、航続距離は322キロで、ATTO3はリーフに比べ70万円ほど高いが、航続距離は485キロと長い。日産のEV「アリア」の標準仕様(価格539万円から、航続距離470キロ)、SUBARUのEV「ソルテラ」(同594万円から、同567キロ)よりは安くした。

SUBARUと共同開発したトヨタ自動車の「bZ4X」は定額制のみで、申込金は38万5000円、10年プランで最初の4年間の料金は月10万6700円となっている。

BYDは米テスラに次ぐEV世界販売2位で、世界36の国・地域で乗用車事業を展開。ATTO3は今年2月に中国で発売し、10月末時点で世界累計販売は14万3000台。豪州やタイなどで投入済みのほか、今後はドイツやフランスなど欧州9カ国でも販売する。自社製電池を搭載し、ニッケルやコバルトなど高価な資源を使わないことなどで低価格を実現した。

ロイター
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