ニュース速報

ビジネス

中国国有大手5社、米上場廃止申請へ 取引減や事務負担指摘

2022年08月13日(土)05時04分

複数の中国国有企業が12日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止を自主的に進める計画を発表した。(2022年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

[上海/香港/ニューヨーク 12日 ロイター] - 複数の中国国有企業が12日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止を自主的に進める計画を発表した。

計画を発表したのは、中国人寿保険、中国アルミ(チャルコ)、中国石油化工(シノペック)、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)、シノペック上海石化。

NYSEの米預託株式(ADS)を上場廃止にする計画をそれぞれ発表した。香港と中国本土の上場は維持する。

中国証券監督管理委員会(CSRC)は「これらの企業は米国での上場以来、資本市場の規則と規制を厳格に守ってきたが、ビジネス上の判断で自ら上場廃止の選択をした」との声明を発表。「海外の規制当局とのコミュニケーションは維持する」とした。

米中は上場企業の監査問題を巡って以前から協議を続けており、米国に上場する中国企業が米国の監査規則を順守できない場合、米国内の取引所から上場廃止になる恐れがある。

各社の声明は監査問題を巡る対立には直接言及せず、米国での取引量が他の主要市場と比べて少ないと指摘した。

ペトロチャイナは、市場によってルールが異なるため、NYSEでの上場を維持するために必要な開示義務を果たすことが「かなりの事務負担」となっていると説明した。

中国人寿とチャルコは22日に上場廃止を申請し、10日後に上場廃止となると明らかにした。シノペックとペトロチャイナは29日に申請するとしている。

NYSE、および米証券取引委員会(SEC)傘下の上場企業会計監視委員会(PCAOB)からコメントは得られていない。

米証券取引委員会(SEC)は外国企業説明責任法(HFCAA)に基づき、中国企業273社を上場廃止リスクがある企業に指定。電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディングやJDドットコム(京東商城)のほか、検索エンジン大手の百度(バイドゥ)などが含まれている。

中国のハイテク企業に特化したファンドを運営するクレーンシェアーズの最高投資責任者(CIO)、ブレンダン・アハーン氏は「売買高は非常に少なく、米国の時価総額も小さいため、米国の資本市場にとって損失にはならない」との見方を示した。

一部アナリストは上場廃止が監査問題の解決に役立つ可能性があると指摘。ジェフリーズのアナリストは「明るい兆しだ」とし、「どの企業を米市場で上場させ、SECの監査対象とするかを決定するのは中国政府になるというわれわれの見方と一致している」とした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 5
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 10
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中