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NY市場サマリー(24日) ドル下落、国債利回り上昇 株価大幅続伸

2022年06月25日(土)06時50分

[24日 ロイター] - <為替> ドルが下落した。週間ベースでも今月に入って初めての下落となった。トレーダーの間では、米金利がいつピークを迎えるかを巡り、景気後退への対処として利下げ時期の予想を前倒しする向きが出ている。

今週は、原油や商品価格の下落でインフレ懸念が緩和され、株式市場が回復。このため安全資産としてのドル買いが減少した。

午後の取引で、ドル指数は0.2%下落の104.013となった。

この日発表された5月の米新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比10.7%増の69万6000戸と、予想外に増加した。

これを受けてドルは一段と下落した。

市場では、米連邦準備理事会(FRB)が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の追加利上げを行った後は、利上げペースを緩めるとの見方が浮上。投資家は現在、金利は来年3月に3.5%付近でピークを迎え、2023年7月までに20bp近く低下するとみている。ドルの年初来上昇率は約9%に達していることから、こうした見方を背景に投資妙味を失いつつある。

円は0.2%安の1ドル=135.20円。ユーロは0.3%上昇し、1.0553ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが上昇。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気後退を招くリスクが意識される中、前日の取引で付けていた2週間ぶりの低水準から上昇した。

物価圧力の引き続き強まっているかどうかを見極めようと、来週発表される米個人消費支出(PCE)統計が注目される。

終盤の取引で、10年債利回りは3.125%、2年債利回りは3.053%にそれぞれ上昇した。

ただ10年債利回りは14日に記録した2011年4月以来の高水準となる3.498%、2年債利回りも14日に付けた07年11月以来の高水準となる3.456%からそれぞれ低下している。

2年債と10年債の利回り格差は7bp。先週は一時マイナス5bpと逆転していた。

朝方発表された6月の米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が過去最低を更新したことを受け、利回りは一時低下する場面もあった。

5月の米新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比10.7%増の69万6000戸と、予想外に増加した。しかし、住宅価格が上昇し、住宅ローン金利(30年物固定)が6%に迫る中、増加は一時的となる公算が大きい。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 大幅続伸して終了した。景気減速の兆候や商品価格(コモディティ)価格の下落で、連邦準備理事会(FRB)が予想ほど積極的に利上げしない可能性があるとの見方が出ていることを背景に、広範な銘柄に買いが入った。

S&P総合500種が約3%上昇し、1日の上昇率としては2020年5月以来最大となったほか、S&Pの11業種全てが少なくとも1.5%上昇した。

FRBがインフレ対応に積極的な利上げを行う中、米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念から株価が下落していたが、今週は持ち直していた。

米ミシガン大学がこの日に発表した6月の消費者信頼感指数(確報値)は50.0と、速報値の50.2から下方修正され、過去最低を更新した。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物は現在、主要金利が来年3月までに3.5%近辺に上昇するとの見方を織り込む水準にある。先週は4%まで上昇するとの見方が織り込まれていた。

銀行株に買いが入り、S&P500銀行株指数は3.7%上昇。FRBが前日に公表した大手金融機関年次ストレステスト(健全性審査)の結果で、厳しい経済ショックに見舞われても各行は十分な資本を維持することが判明した。

個別銘柄では、宅配大手フェデックスが7.2%高。前日発表の第4・四半期(3─5月)の実質利益と通期の利益見通しが、いずれも市場予想を上回った。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 対ユーロでのドル安などを手掛かりに、5営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.50ドル(0.03%)高の1オンス=1830.30ドルだった。週間では、10.30ドル(5.57%)下落した。

この日の外国為替市場では、対ユーロでドルが下落。ドル建て商品である金に買いが入りやすかった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が一連の議会証言で、高インフレ封じ込めのために積極的な利上げを継続する姿勢を改めて示したことも、リセッション(景気後退)の懸念をあおり、安全資産とされる金の支援材料となった。 一方、米長期金利は上昇。金利を生まない資産である金の割高感が強まり、上値は抑えられた。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 週末を前に買い戻しが入り、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比3.35ドル(3.21%)高の1バレル=107.62ドル。ただ、週間では1.77%安と2週連続のマイナス。9月物は2.87ドル高の104.45ドルだった。

インフレ抑制を最優先課題と強調したパウエルFRB議長の議会証言を終え、景気悪化に伴うエネルギー需要減退を懸念した売りは一巡。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は来週30日に開く会合で、月初に合意した小幅増産方針を維持する見通しと伝わる中、足元の需給逼迫(ひっぱく)への警戒感が再燃した。相場は未明に上向いた後、午前には一時108.58ドルの高値を付けた。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 135.17/135.20

始値 135.09

高値 135.39

安値 134.72

ユーロ/ドル NY終値 1.0554/1.0558

始値 1.0537

高値 1.0571

安値 1.0515

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*19.00 3.2648%

前営業日終値 94*04.00 3.1810%

10年債(指標銘柄) 17時05分 97*25.00 3.1376%

前営業日終値 98*11.00 3.0700%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*14.50 3.1875%

前営業日終値 97*22.00 3.1340%

2年債(指標銘柄) 17時05分 98*30.50 3.0632%

前営業日終値 99*01.38 3.0120%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 31500.68 +823.32 +2.68

前営業日終値 30677.36

ナスダック総合 11607.62 +375.43 +3.34

前営業日終値 11232.19

S&P総合500種 3911.74 +116.01 +3.06

前営業日終値 3795.73

COMEX金 8月限 1830.3 +0.5

前営業日終値 1829.8

COMEX銀 7月限 2112.5 +8.3

前営業日終値 2104.2

北海ブレント 8月限 113.12 +3.07

前営業日終値 110.05

米WTI先物 8月限 107.62 +3.35

前営業日終値 104.27

CRB商品指数 298.5493 +1.8582

前営業日終値 296.6911

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