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保険業界、ウクライナの港・沿岸の船舶から請求増加へ=アリアンツ報告書
5月10日、ドイツ保険大手アリアンツ傘下のアリアンツ・グローバル・コーポレート・スペシャルティ(AGCS)の年次リポートによると、ウクライナの港や沿岸で航行をさえぎられたり動けなくなったりした船舶から世界の保険会社に寄せられる損壊や沈没の海事保険請求は大きく増える見通しだ。写真はウクライナのオデッサの港に停泊する貨物船。2016年11月撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)
[10日 ロイター] - ドイツ保険大手アリアンツ傘下のアリアンツ・グローバル・コーポレート・スペシャルティ(AGCS)の10日公表の年次リポートによると、ウクライナの港や沿岸で航行をさえぎられたり動けなくなったりした船舶から世界の保険会社に寄せられる損壊や沈没の海事保険請求は大きく増える見通しだ。機雷やロケット砲や爆撃などの損害に基づく戦争保険の請求も多く見込まれるという。
ロシアのウクライナ侵攻以降、砲撃などによる船員の死亡や商船の損傷、沈没は既に複数報告されている。ロンドンの海事保険業界は既に黒海とアゾフ海を高リスク海域と認定。こうした海域での船舶保険費用は記録的な高水準に高騰し、航海ごとの年次の戦争保険費用も上乗せが求められている。
リポートはロシア産石油への禁輸拡大で燃料費が上がっていることも指摘。長期的に見ると、燃料不足のために規格外や質の落ちる燃料を使わざるを得ない船舶が増え、これに伴う機械類の故障につながり得るとも警告した。